ないしょないしょの逢瀬

※ おチビ主人公がフィーのおしゃぶりの所為で初代fのところに来たよ!
※ 初代fがなんかおかしい
※ ひらがなばっかりちゅうい!




「あー、つなよしのじいじさまだぁ!」
「………ツナヨシ? じいじ様………? いや待て、もしやお前は、」
「我が君?」
「雪月、喜べ。お前の継承者だ」

オレの腕の中にやってきた幼いそれは、どうやら未来の『雪』らしい。




☆ ☆ ☆ ☆




「静玖、こちらでござるよ」

ふうわり、やさしい笑みをうかべたうげつさんがりょーてを開いた。
すこしだけきょとん、と目をさせてから、首をかしげる。
うげつさんのうでの中、行っていいのかなぁ。
むー、と口をとがらせてからなやんで、それからぱたぱたと走ってうげつさんに抱きついた。
うげつさんは流れるようにひょいとわたしを抱え上げて、それからふんわりとやさしく笑う。

「静玖は雪月と違ってちゃんとした女の子でござるなぁ」
「おんなのこー」
「雪月みたいになっちゃ駄目でござるよ」
「それ、どういう意味ですか、兄様」
「そのままの意味でござる」
「???」

きゅうっとわたしを抱きしめるうげつさんにすりよる。
あったかくて、好きなの。えへへ。

「我が君っ、聞きましたか、兄様の言を!」
「あぁ、聞いた。全く以てその通りかもしれないな」
「我が君!」

ひどいです、あんまりです、わがきみのいけずぅ、となくゆづきさんを見て、あっ、とこえを上げた。

「じいじさま、ゆづきさん、かわいそうだよう」
「………雪月が?」
「ん」
「まぁ、わたくしを庇って下さるのね、さすがはわたくしの継承者!」

ぱあっと明るくなったゆづきさんを見て、ほにゃりと笑った。
うん、えがおが一番だよね。

「ありがとう、わたくしの継承者。わたくしも貴方の味方になりますわ!」
「んー」

すりすりとほおをすりよせてきたゆづきさんに、わたしもそれをやり返す。
するとからだがふわりと浮いた。
う、うう?

「兄弟で独占は良くないな」
「あうらでぃさん」
「アラウディ、ね」
「あうらでぃさん」
「………仕方のない子だね」

きれーなおめめを細くしてわらったのはあうらでぃさんで、そっとそのうでにすわらせてくれる。
それから頭をなでてくれたので、うれしくてへにゃんと笑っちゃった。

「究極ズルいぞ、アラウディ」「だったら僕から奪えばいい」
「む………。いや、静玖が喜んでいるからな」
「なっくーさん」
「ナックルだ、静玖」
「なくるさん」
「おしい」

ナックルだぞー、と言いながらまた頭を撫でられる。
えへへ、うれしいなぁ。

「静玖、こっちだ」
「………? あっ、Gさんっ!」

あるものかたてにわたしを呼んだのはGさんで、それにさそわれてあうらでぃさんの腕から降りた。
てててっとはしって、ぼすん、とGさんのこしにたっくる。
しっかり受け止めてくれたGさんにむかって笑うと、ぽすぽすと後頭部をやさしく叩かれた。

「ほら、口開けろ」
「あー」

Gさんに言われたようにあー、と口を開けると、ぽこん、と何か口の中に放られる。
もぐもぐ、と口を動かして、広がった甘さにきゅうっと目をとじた。

「おいしい!」
「そうか」
「G、何を」
「チョコレートだ、ジョット」

おさらにのせてある可愛くでこれーしょんされた一口大のチョコレート。
もうひとつぶぽこん、と口の中に放られて、その甘さに思わずとろけちゃう。
チョコレートを味わってから、Gさんのうしろからひょこっと顔をだしたらんぽーさんを見上げる。
んん、

「らんぽーさん、あーん」
「あー」
「えいっ」

ちょっと背伸びして、Gさんがかかんでくれたのもあって、おさらの上のチョコレートを掴む。
こしをかがめて口を開けてまつらんぽーさんのお口にえいっとチョコレートを投げた。

「美味しいだものね」
「うんっ」
「ランポウ………」
「ボ、ボスが凄い顔してるんだものね………」
「? じいじさま、あーん」
「あぁ、くれるのか、静玖」

らんぽーさんみたいにお口を開けたじいじさまにチョコレートを上げる。
するとじいじさまはつなよしににた顔でふわりと笑った。
………あぅ。
つなよしに会いたいなぁ………。
しゅん、とうつむいたわたしに、じいじさまとGさんがどうした、と声をかけてくれた。
あのね、と言いかけたら、ふわり、わたしの周りをきりが包む。

「!」
「うあっ」
「スペード!」
「ヌフフ」

きりがかたちを作って『人』になって、でーもんさんがあらわれた。
だっこされて、きゅーにしかいが高くなったからおどろいて、おめめをぱちぱちとさせると、でーもんさんが頭をなでてくる。

「おい、その手を離せ、ロリコン!」
「静玖を抱き止めたのは誰ですか、G。それに抱っこしたのは僕だけじゃない。雨月やアラウディだって同じでしょう」
「僕と君を一緒にしないでくれる?」

きよーにくるくるとてじょうを回すあうらでぃさんは、その細い目をでーもんさんに向けてる。
あぅ、こわい、かも。

「わたくしの継承者を巻き込むのはやめて下さいな」
「ゆづきさぁんっ」
「えぇ、こちらに」

でーもんさんの腕から逃げてゆづきさんの腕の中に。
でーもんさんもあうらでぃさんもこわい。
でもそれ以上に、さびしくなっちゃったの。
つなよしに会いたいな。
わたしもゆづきさんみたいに、わたしの『空』………ティモおじいちゃまのところに居たいな。

「かえるのー」
「あら、帰ってしまわれるの?」
「うん。だって、かえらなきゃ」

かえらなきゃ、わたしはわたしの『空』に会えないよぅ。
そう思ったら、ひかりがからだを包む。
───あ、
かえるんだ、てわかったから顔を上げたら、じいじさまが優しく笑っていた。




☆ ☆ ☆ ☆




「あれ、静玖?」
「綱吉………」

目を上げれば、綱吉が居た。
そこは沢田家で、遊びに来ていて寝ちゃったんだと気が付いた。
ぱちぱちと瞬いて、それから欠伸をする。

「なんかいい夢見た?」
「ん?」
「幸せそうな顔してたから」
「夢………、うん、もしかしたら夢かもしれない。でも、現実だったかもしれない」
「は?」
「ふふ、綱吉にはわかんなくてもいーのっ」

だってあれは、私に起きた出来事なんだから。
思い出し笑いを繰り返す私に、綱吉はわけがわからない、と首を傾げるのだった。












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ちび主人公と初代ファミリーの絡みでしたが、過保護かどうかが謎なものになってしまいました…。
勝手に雪月まで足しちゃいました。
リクエスト、ありがとうございました!



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