彼女と登校

【桃矢side】


今朝、ゆきとのいつもの待ち合わせ場所にいくと、女子がいた。
また転校生らしいが新学期からずれてとはまた変なタイミングだなと思っていたが、それよりも気になったのは彼女の力だ。
それもかなり強い魔力をもっていた。


ダークブラウンのボブでサラサラの髪型に低くもなく高くもない身長の彼女。


右の耳に3つピアスがついていて、左には鍵みたいな飾りのついたピアスをしていた。


それだけを説明したら、派手な奴を想像してしまう。だけど彼女は派手に感じさせてない雰囲気を持っていた。

多分彼女も俺の力に気づいているはず。
何も聞かないなら、その時が来るまで聞くなってことか?


HR前に席について朝の彼女の事を思い返し考えていた。





ガラッ


「今日は転校生を紹介する。」

担任は入って来るなり、唐突に切り出した。


【 桃矢side end】






『まさか一緒のクラスになるとはね!良かった〜!』


目の前にいる桃矢と雪兎にそう言った。

先生に案内された教室に行くと2人がいて席も近くになった。


「本当!偶然って凄いね!」


雪兎は笑ってそう言った。それを聞いた名前は耳馴染みのフレーズが思い出された。


『「この世に偶然はない、あるのは必然だけ(だよ)」』


桃矢とまた声がかぶった。何か言いたそうな顔をしてたがそれは…


「とーやくーん!」

彼女によって叶わないものに。

「秋月さんやめてくれないか?」

いきなり抱きついた彼女に少しいらっとして桃矢が言った。


「奈久留でいいってば!桃矢くん」


桃矢はため息をひとつ吐いた。彼女がもうひとりの転校生の秋月奈久留さん。

彼女は雪兎と私をみてにこっと笑った。


感じる…彼女からも雪兎と同じものが。ジッと見つめていたら秋月さんは私に近づいてきた。


「邪魔…しないでね。」
『…貴女が私の邪魔をしなければ、ね。』


小声で言われた事に対し言い返せば秋月さんはまたくすっと笑い私から離れて行った。


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bkm
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