こんばんわと言って、さくらちゃんはいつもの笑顔で雪兎の手をひいて歩きだした。
今のさくらちゃんが雪兎に向けるのは家族に対しての大好きだった。
前にいる小狼くんをみて顔を歪ませた桃矢
『そんなに嫌い?』
「気にくわないだけだ…アイツは俺が大事にしてたものをとっていくから」
『ヤキモチだ?』
「ちがっ!!」「お兄ちゃーん!」
いきなりでたさくらちゃんに「わぁっ」と桃矢が驚いた
それをみて雪兎は顔を曇らせた。
私は雪兎の隣にいき肘で突っつく。
『そんな顔したら桃矢が怒るよ?』
「うん…でも…前は見なくても誰かが近づけはとーやはすぐわかってた。力をもらったせいで…」
『桃矢言ってた。後悔はないって。雪兎に力をわたさなかったらきっともっと後悔してたよ』
私は笑って言った。
『だから、この話しは終わり!!いつもの…前通り接しな!!じゃないと私がおこるからね?』
雪兎は「うん…ありがとう」と言った
歩き回った私達。
さくらちゃんたちは先に帰ることになり、雪兎は送ってくるとさくらちゃんたちと一緒に帰った。
私は少し話したいと神社の奥に桃矢といた。
『ずっと、この日がくるのを悩みながら待っていたんだ』
私がここにきた目的のひとつ
『桃矢は人にはない力で悩んでいた。でもそれを月に渡した今、さくらちゃん達の危険がわからなくて悩んでいるんだよね?』
「…あぁ」
『私、そのためにここにきたの…いつか苦しむ人がいるから助けてやってくれってクロウに言われて』
「クロウって月ってやつを作った人か?」
『うん…私は苦しむだろう人、桃矢に魔力を渡すためにきたんだ…でも悩んでる。』
「え?」
『桃矢は力があったせいで苦しんでいたのに、また渡していいか、正直今もわからない。時間が経てば桃矢の魔力もだんだん戻ってまた強くなると思う。』
『私ね…桃矢にはツラい思いしてほしくない』
大好きな人だから
愛しい人だから
『どう、して、いいか…わかんないんだ…』
ずっと悩んでいた思いを言葉にしたら涙がとまらなかった
そんな私を桃矢は優しく抱きしめてくれる
「確かに力があってツラい思いはした、さくらの守る力を俺は月に渡して後悔はなかった。でも今1番つらいのはさくら以上に大事なお前を守る力がないってことだった」
『…私?』
「お前が危険なとき何もわからない自分がいて…それが1番つらい」
『私は…大丈夫、だよ』
「そうやって溜め込むから不安なんだよ」
桃矢は私の頭をくしゃっとなでた
『力を貰って後悔、しない?』
「しない」
桃矢はまっすぐ私を見て言い切った
私は涙をふいた
『力を秘めし鍵よ 真の姿を我に示せ
契約者名前が命じる…封印解除』
私は耳につけていたピアスを全てとり杖に取り込んだ
『我に溜まりし力よ 彼のものに分け与え【贈】』
私を包をでいたオレンジ色の力が桃矢に流れ込んだ
私の家までの道のり桃矢と手をつないでゆっくり歩いていた。
『桃矢』
「ん?」
『ありがとう…大好き』
何回目かの告白にただ「知ってる」と照れたように桃矢は言った
その日は桃矢が家に泊まり互いの温もりを感じて抱き合って眠った。