▼ 友を信じる気持ち
「ピコデビモン!」
「タケルたちを騙そうとした悪いデジモンだ!」
「なに!?」
「じゃぁ…人間がいるって言うのも…まんまと騙されたって言うわけか!」
「くそっ俺は許さないぞ!」
「ヘビーフレイム!」
「エアーショット!」
2人の攻撃を「なにするんだよ!」と言ってかわしたピコデビモンは飛んでいく。それを太一さんとアグモン、パタモンは追いかける。
「借金を踏み倒して逃げようだなんていい度胸だねぇ?」
「なに言ってるんだ!借金分はとっくに働いたはずた!」
「そうだねぇ。確かに良く働いてくれた。お釣りをあげなきゃねぇ」
デジタマモンはそう言いながら大きくなっていった。そしてそのままヤマトさんに突進してくる。間一髪でよけると次は外さない、と狙い定めている。
ヤマトさんの方に気をとられすぎて足元に忍び寄る何かに気がつかなかった。しゅるんっと足首になにかが巻きついた。
『え?』
「ガブモン進化!ガルルモン!
フォックスファイアー!」
デジタマモンの殻はガルルモンの炎にも効かないようでダメージがない。
「デジタマモンは殻を閉じると攻撃しても効果ないよ!」
「そう言うことなんだよ!」
デジタマモンは突進し頭突きをした事によりガルルモンはいとも簡単に倒された。
『きゃー!』
「助けて!」
「タケル!真希ちゃん!」
『ごめんなさい!捕まりました…』
わたしとタケルくんは天井に吊る下がるベジーモンによって逆さまに吊るされるようにして捕まっていた。
「それ以上暴れるとその子達の命はないよ。このデジモンも、ね!」
ガルルモンはさっきと同じように攻撃され岩に叩きつけられた。
「ガルルモン!」
「お兄ちゃん!助けて!」
『(あ…頭に血がのぼる…)』
「ちくしょう!卑怯だぞ!許せない!」
「ゴマモン進化!イッカクモン」
「テリアモン進化!ガルゴモン」
イッカクモンがベジーモンに角を突き刺すようにしているすきに屋根から丈さんがベジーモンに飛びつくように落ちてきた。そのおかげでタケルくんとわたしは解放された。
「危ない!」
『ガルゴモン!ありがとう!』
「どーいたしましてー」
とっさにガルゴモンがわたしたちの下に来てくれてクッションとなり地面に直接落下とならなかった。
ベジーモンをみれば丈さんが締め上げられ苦しそうにしていた。
『丈さん!』
タケルくんに駆け寄ったヤマトさんが「どうして!?」と困惑したように叫んだ。
「今まで…ヤマトが一緒に頑張ろうって言ってくれたから我慢できたんだっ…だから、こんどは僕が…ぐぅっ…!」
丈さんは締め付けられて苦しいはずなのにイッカクモンにみんなを助けるよう指示した。ベジーモンはさらに締め付けに力をいれて丈さんは苦しそうだ。
「丈!」
「僕はいいから、はやくデジタマモンを…僕は、いいからっ!」
「俺は…あんなひどいこと言ったのに…丈…じょーーう!!」
その時ヤマトさんの紋章が光った気がした。
デジタマモンと戦っていたガルルモン、イッカクモン、ガルゴモンはナイトメアシンドロームによりみんな倒れてしまった。
『ガルゴモン!みんな…』
「もうだめだよ…かなわないよ!」
「いや、そんなことない。絶対なんとかなる!
友を信じる気持ち!友情を!」
ヤマトさんのデジヴァイスと紋章が青い光に包まれた。
「ガルルモン超進化!ワーガルルモン」
ガルルモンは2足歩行の獣人型に進化した。狼男みたいだ…
ワーガルルモンはデジタマモンの攻撃を弾き飛ばしそのままデジタマモンも遠くへ飛ばした。するとヤバイと思ったピコデビモンもベジーモンもさっさと逃げてしまった。
「丈にしては珍しく勇敢だったな!」
「珍しくは余計だよ。」
『カッコよかったですよ!丈さん!』
「ありがとう。」
その後ろからヤマトさんがもじもじしたようにやってきた。
「丈…ありがとうな。タケルを助けてくれて。」
「いいんだよ。僕の方こそ助けてもらってばかりだし。」
「それと!ごめんな…」
「ヤマト…あはははっ」
2人はぎこちなくも仲直り出来たようでわたしも嬉しくなって微笑んだ。
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