▽駄文
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この位置付けが
酷く心地よくて胸に沁みる。

「何笑ってるんですか」

自分を律する筈の相手が
コチラに微笑みを浮かべている。
重い体を抱え部屋に入るなり
その姿を見つけて安堵するなんて、
自分もよっぽど物好きだと苦笑する。
ただ純粋に零した疑問に、忍は
先ほどとは違う笑みを浮かべた。

「では、どういう顔を
していてほしいんだい・・・・・」

お前に言われれば何でも用意する
準備はある、と言う事か。
甘やかす気なんてない癖に。

真っ直ぐに見詰め、逡巡した後、
喧嘩を売っているんですか、と
出掛かった言葉を飲み込む。
悪態の代わりににっこりと、
強調するように笑って見せた。
まーコチラの負けですが。

「イエ、…何でもありません。」

腑に落ちない。
眉間にしわを寄せる自分に構わず、
忍が再び視線を手元に移した。

2011/03/19


 

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