▽また、あしたね
11/11

そらがおりてきて、1日の終わりが近づく。
公園の砂場に作りかけのお城。
揺れる誰もいないブランコ。
おかあさんがボクを呼ぶ声がして、ボクは走った。
日が暮れるのが早くて、もっと一緒に遊んでたいのに、バイバイの、お別れの時間が堪らなく悲しくなるから、ともだちに『じゃあまたね』も『また、あしたね』も言えずに逃げたんだ。
手をつないで暗くなってきた空に、それまで我慢していた分、思いっきり、はーっと深く漏らした息が、机に溢した牛乳みたいに空気に混ざっていく。
泣かないよ。
男の子だから。
今日はたのしかった?って、
横に並んだおかあさんがボクの顔を見た。
ボクは頷く。
あした行ったらまだお城はあるのかな。
「おかあさん…あしたもまた行きたいな」
「うん、またあした行こうね」
「うん、またあしたね」

***
「乳」と「息」と「悲」を全部使って文章を作りましょう。
2012/03/11

 

▲e.no.nai.hon top ▲home 190077 :)
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -