「いらっしゃいませ・・あら、ミカル」
洗い物をしていたティファは、顔をあげて出迎えた。
「お疲れ様!これ、頼まれてた食材と・・おまけ。ラベルが不良だからちょっと売れなくて。よかったら使って」
「いつもありがとう、助かるわ」
セブンス・ヘブンには時々こうやって食材を届けに来ている。
「何か食べてく?」
「ありがとう、でもすぐに戻らなきゃいけなくって。」
「そう、またゆっくりお店にも来てよ。マリンも待ってるし」
そんな話をしていると地下からバレットがきた。
「おうミカル。いつもわりぃな。」
「ううん、大丈夫。」
―『神羅カンパニーとシスティーナインターナショナルの共同運営の・・』
テレビから流れる説明にその場にいた三人が目を向けた。
「あ、これかぁ・・・」
思わずミカルがこぼした言葉をバレットが聞き逃さなかった。
「これ・・ってミカル、神羅がどうかしたのか?」
神羅の話になるとひときわ眉間にしわを寄せるバレット。
しまった・・・と思ったが、既に遅い。話さなきゃいけない雰囲気になってしまった。
「あー・・うん。実はつい先日電話があってね、」
ことの成り行きを話すとバレットは激怒した。
「んなもん、断っちまえ!相変わらず強引なやり口だな神羅は!!」
「ちょっとバレット、落ち着いて!」
ティファに制止され、落ち着きを取り戻すバレットにミカルは続けた。
「断るつもり。一応本社にはいくけど、演奏する気さらさらないしね・・・」
ティファが出してくれたジュースを飲みほし、ミカルは立ち上がった。
「一人で行くの?大丈夫?」
「うん、大丈夫。そんな変なことされる理由もないしね」
「いや、あいつら何考えてるかわかんねーからな。お前の叔母さんのユアンも、ラディも一時期いたんだろ?神羅に。」
「うーん・・でもほんと数か月だけだったし、私が関係してるってわかんないじゃないかな?」
「ともかく何かあったら連絡しろよ。」
そんなやり取りをしていると再び店のドアが開いた。