「・・あなたの演奏の評判はとても良いですね。お世話になっているマスターも喜ばれるのでは?客足が増えることでしょう。経営も…なかなか大変そうですしね。」
サーっと体中に何かが流れる感覚がした。
ミカルはなおも沈黙を続けた。
脅しているのだろうか?
最近めっきり客が・・と嘆いているマスターの顔が思い浮かんだ。
詳しい額は知らないが、お金を借りていることもミカルは知っていた。
「脅しだなんて捉えないでくださいね」
『いえ・・、そういうつもりは・・』
まるで、心の中を見透かしたようにツォンという男は言った。
「電話でもなんですので・・いかがでしょう?こちらから迎えを寄越しますので一度お会いできればと」
やはり、この神羅カンパニーという会社はどこか
有無を言わせぬ力を持っていると思った。
だからこそ、世界規模へと膨らんでいったのだろう。