日常と非日常の狭間だろうか

 目の前で戦いが始まることも、ましてや見慣れない人物があらわれないまま、時刻は昼過ぎ。
 真佐紀は、食堂でのんきに昼飯を食べていた。好みの味付けはまさに美味と値するもので。真佐紀は主観的だということを感じながらもこの食堂に賞賛の言葉を送りたくなる。
 しばらくはただ無言で食べている。怪しいものや朝に話しをしていた彼を見ることはせず、ただ淡々と食事する動作をするだけだった。

 音を鳴らした懐中電話にうんざりしながら、真佐紀は電話に出る。出てきた相手は、案の定実姉の美優希だった。
 彼女は真佐紀が出るとわかるとすぐに今どこにいるといううるさい声で言ってくる。そういえば当日はいないこと言ってなかったなあと考えながら、真佐紀は彼女に謝りながらそっちにいないことを告げる。
 すると、彼女から申し訳ないという言葉とどうしてという疑問の言葉がきたが、真佐紀はそれを無視して今忙しいんだ、と言って電話をすぐに切った。
 きっと、後で小言でも言われるのだろう。姉のことをよく理解している真佐紀は、苦笑するのだった。

 

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