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life -DC -@
※999Hitのリクエストで、Lifeの続編で、ティファ以外の7のキャラや仲間との絡み


『おい、ヴィンセント。俺だ』
「クラウドからかけてくるとは珍しいな。どうしたんだ」
『今日行く魔物掃討は、俺が行くまで待っていてくれ』
「なんだ、近くにいるのか。あとどれくらいかかる?」
『半日ほどだ』
「……そんなに待っていられない。ティファが到着しだい、出発する」
『待て。ティファは行かれないんだ』
「行かれない?何かあったのか?……ああ、エッジからのジープがきた」

そこで私はは一旦、電話を耳から離した。
エッジから来たらしいジープに近づけば、リーブが降りてきて……続いて見知らぬ金髪の少年が降りてきた。
年の瀬はユフィとそう変わらないだろう。
まだ少年と青年の合間を行き来しているほどの人間だった。

その少年が降りてきたきり、ジープからは誰も降りてこない。
クラウドが言っていたようにティファはこれなくなったのだろうか。

「クラウド、ティファは本当に来れなくなったのか?」
『そこに金髪の子供がいないか!?』

子供という形容が目の前の金髪に少年に相応しいかは分からなかったが、
クラウドの珍しく焦った様子と、金髪がこの場に一人しかいないことから私は素直に『いるな』と答えた。

『すまないが、ティーダと代わってくれ』

ティーダ。
その名を聞いて、やっと目の前の少年が誰か分かった。
初対面には違いないが、ユフィが散々話していたからな。
確かクラウドが拾ったとかいう少年だ。
ユフィはクラウドの異常なほどな過保護ぶりを揶揄していたな。

私はリーブと話している少年に近づくとすっと携帯を差し出した。
少年は青の目を俺に向けると、にかりと笑って『俺、ティーダ』と言った。

「私はヴィンセントだ。……クラウドから君に電話が入っている」

そう告げて、差し出している電話を揺らせば、ティーダはひょいと携帯を受け取り耳に当てた。
その瞬間に響いたクラウドの怒鳴り声に、私もリーブも驚く。
ティーダもそれに僅かに怯んだようだが、『大丈夫ッスよ!俺に任せとけって!!』なんて笑いながら言い出した。

それを確認したが、私は未だにここにティファではなくあの少年いる理由がわからなかった。

「リーブ。ティファはどうしたんだ?」
「ティファはどうやら体調が悪かったみたいで、今は家で薬を飲んで寝ているらしいです。
本人来ると言って聞かなかったようですが、なんとか宥めて、代わりにティーダ君が……」
「なるほど。だが、戦えるのか?」
「本人は大丈夫と言ってますが……」

ティーダの実力はリーブも知らないのか。
というよりも、リーブもティファを迎えにいって、初めてあったらしい。
そんな実力も未知数の少年を魔物掃討に連れていっていいものなのだろうか?

今から行くところは、この町の近くにできてしまった魔物の巣を排除することだ。
時期に繁殖期が来る。放っておけば大量に繁殖して、町に危害を加えるだろう。
今動ける人間として、私がリーブに頼まれたのだが、残念ながらユフィがつかまらなかった。
ならばクラウドにと電話をしたが、こちらも相変わらず電話には出ない。
じゃあティファにと電話して了承を取ったのだ。

それが一晩たったら、初対面の実力がわからない少年がいる。
……クラウドが言ったように半日待つべきだろうか。

「しつこいッス!町の人は困ってんだって!すぐにでも行くから!じゃあな!!

ティーダはそう言うと通話を切った。
そして、あっという顔をすると頭を掻きながら俺の方を振り向いた。

「勢いで切っちゃったッス」
「構わない。それよりも魔物掃討に行くのだが……大丈夫か?」


返された携帯をフォルダーにしまいながらそうと問えば、ティーダは満面の笑みで『大丈夫ッス!!』と言った。
……大丈夫かと聞いた意味が伝わってない気がする。

「ティーダ君はどれくらい戦えますか?」
「え?どれくらい?どれくらい……ん〜〜……クラウドと普通に手合わせはできるけど……」
「そうか。では行くとしよう」

クラウドと手合わせできるくらいの実力があれば、普通の兵士よりは強いだろう。
私はティーダにそう促して、リーブに貰った地図を片手に森へと進んだ。
後ろではリーブに対して、ティーダが『ばびゅっと行ってくるッス!!』と言っていた。

……ばびゅっととは何だろうか。
ユフィといい、ティーダといい。
最近の若い子の言葉は難しい。

bkm
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