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愚者の集い@


※55555hitのリクエスト、『24710が兄弟パロ設定で810』の話です。


両親を失ったのは随分と前だ。


それからはひどい話だった。
成人もしていない四兄弟が共に育つことなんて到底できるはずがなくて、かけがえない家族は離散するように離ればなれとなった。

一番上と二番目の二人は自ら進んで軍事学校へ。
一人は同じ年頃の子供が多くいる施設へ。
そして最後の一人は幼いころからやっていたブリッツボールに対し、非凡な才能を持っていたため普通の施設に行けるが拐われるようにスポーツなど特殊技能に力を入れる学校に入れられた。

一番泣き虫で、まだ父親が行方不明、母親の死から立ち直れていないのに。
一番上と二番目の二人は、下の二人は共に育てると思っていた。

四人が同じ施設に入るのは難しいことだとしても、まだ二人ならと、そう思って入学にも在学にも費用が不要の軍学校(学校と言えば聞こえはいいが、殆ど訓練兵)に入ったのだ。
なのに、末の弟は泣きながら連れていかれてしまった。
結局、三番目も末の弟は離ればなれ。
軍学校に共に入ったとしても、一番上と二番目も配属場所が遠く離れていた。

一番上はソルジャー歩兵部隊。二番目は赤き翼航空部隊。
地上と空に別れた。大した連絡もとれず、そして二人も会おうとはしなかった。

それはとても、不公平に感じたからだ。
弟もたちは一人の寂しさに耐えている。だから、そう思って二人は会わなかった。

幸いなことに、そこで生涯の友に出会った。
二番目に至っては、生涯の伴侶とするような女性と出会った。

二人は辛い中でも幸せであった。
時おり届く、三番目からの手紙には彼の親友たちのことが書かれていた。
そしてどうやら施設の庭仕事の手伝いからか夢を見つけたらしく、眩しいくらいのまっすぐさで進みたい進路が書かれていた。
一番上と二番目はその三番目からの手紙にほっと息をはき、安らぎを感じる。
けれど……三番目からの手紙が届けば届くだけ末の弟のことが気がかりだった。

彼からの手紙はないに等しかった。
三番目は時おり会うことは出来るようだが、学校が中々に厳しく外出にも制限があるし、なにしろ末の弟は人気スポーツの特待生でもあったから、外出できる日には練習があるのだという。

そんな『忙しい』という内容だけの末の弟からの手紙がほんの時たま届くたびに一番上と二番目は早く迎えにいこうと強く思いと、戦えた。

彼ら四兄弟の夢は、また四人にで暮らすことだった。

それから月日が過ぎーー。

bkm
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