sweet candy
「トリックアンドトリート!」

満面の笑みでそう発するカイトにテレビの音が一瞬遮られた。
それを言うならオアでしょうよ、と呆れて軽くため息。
ん、と無言で冷蔵庫を指差す。

「アイス買ってきたから食べていいわよ」

それだけ言って再び視線をテレビに戻すが彼は首を振って両手をこちらに差し出す。

「今ここでお菓子ちょーだい」
「アンタへのお菓子は冷凍室なんだから今ここにあるわけ無いでしょ」
「じゃあイタズラ決行ー」
「卑怯者!」

肩を掴まれ押し倒されそうになるのを必死で食い止める。

「トリックオアトリート。これでアンタがお菓子持ってなかったらおあいこよ。」

きょとんとした表情で動きを止める。どうやら持っていないようだと安堵したのもつかの間、視界が一気に青く染まった。唇が重なり舌で歯列をなぞり上げられ、からからと何かが歯にぶつかる音が脳内に響く。身体の力が次第に抜け反射的に軽く開くと簡単に侵入者を赦してしまった。彼の舌が絡み合うのと同時に広がる、甘いものと私自身の甘い声。

「…んっ……ふぁ…ぁ」
「……は…ぁっ…はい、飴。」

絡め取られた舌は解放され、口の中では飴が転がる。その様子を見ると彼はと薄笑いを浮かべた。

「……というわけでイタズラしてもいいよね?めーちゃんはお菓子無いんだから。」
「〜〜〜っ」
「本当は期待してた?」
「そんなこと…んっ」

再び互いの舌が絡み合い、飴を転がす。
飴はあっという間に溶けてしまった。

――――

去年と比べるとえらい違いだ(^p^)

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