七夕

「むかしむかし、あるところに織姫と彦星が居ました。互いに惹かれあった二人は無事結ばれましたがイチャコラしすぎたため誰かさんが嫉妬して川が作られ離れ離れになってしまい悲しみに暮れました。そんな二人を見た誰かさんは年に一度、7月7日にだけ川を埋め立て二人を合わせることにしました。
……こんな話だっけ?」

一通り話し終えると再びバニラアイスをスプーンで口に運んでいる。…微妙に合ってるけどツッコミ所多すぎよ。

「織姫は名前の通り機を織るのが仕事で、熱心に仕事をするもんだからそれを心配した織姫のお父さんが川向こうの牛飼と引き合わせた話よ。」
「んー、そうだっけ?」

間延びした声が隣から響く。言っておくけどアンタのうろ覚え創作と違って私はちゃんと調べたんだからね。

「それに、織姫のお父さんは嫉妬したんじゃなくて仕事をしなくなったのを怒ったの。川はもともとあったし年に一度埋め立てるんじゃなくて橋を架けるのよ。」
「じゃあオレたちもイチャイチャしすぎてマスターが引き剥がしちゃったりして…」

そうかもね、と呟くとカイトの表情が曇るから思わず笑ってしまった。大丈夫よ私はきちんと働くから、なんて同時に思ってしまって。

「嫌だよめーちゃんと離れ離れはああ!」
「だったらせいぜい働くのね。」

というより近いから離れてよバカ!
引っ付いてくるカイトの顔を押しのけていると丁度刺客が送り込まれた。

「ねぇお姉ちゃん!マスターが浴衣貸してくれたの!…二人とも何してるの?」

思わぬ妹の登場により一瞬力を緩めたカイトを思い切り押したもんだからカイトがソファーの上で天を仰いでしまった。

「別に何もないわよ?それより良かったじゃない浴衣着れて。」

うん!と満面の笑みで頷き、さっきカイトを押しのけたことにより生まれた空間にミクはちょこんと座る。

「でもマスター着付け出来ないみたいだからお姉ちゃんにやってもらいたいんだけど、いいかな?」
「ええ、もちろん。」
「ホント?わーいっ!」

ミクは喜んだ勢いで私に抱きついてきた。それを見たカイトはオレらの天の川はミクだーなんてぼやいて。むしろミクは私たちの架け橋だと思うけど?
でもそんなことは口にせずただ悔しがるカイトを見て楽しんだ。

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適当すぎる、色々と←

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