飽き反芻

飽き反芻_痛みと愛と呪縛 | ナノ
痛みと愛と呪縛


「ね、今の子ってこの前言ってたリノンって子?」

取っ組み合いの末に携帯は破損してしまい通話が切れて壊れた携帯を二人で見ていたが仕方なしにフェイタンが拾い上げるとシャルナークがそう聞いてきた。

「だたら何ね?」

「一緒に住んでるの?」

フェイタンはイライラしながらだたら何ねっともう一度繰り返した。そうするとシャルナークはんーっと考え始めて、そうだ!っと何か閃いた顔をした。先程聞こえた会話からフェイタンがきっと彼女に食事もお金すらも渡し忘れて此処にきたのだろうと推測した。

「フェイタンこれから仕事だろ?俺決行日まで暇だからお金届けに行くだけとかだったら?」

「一人で出かけさせる気無いね」

一人で出掛けさせたく無いとか相手は何歳の子供なんだよっと思いながら、それでも2.3日絶食とか可愛そうだろ。極悪非道な旅団らしからぬ事を思う。ただ、基本的に仕事意外は皆んな普通に暮らしているわけだから、彼女の一人や二人居たって不思議では無いし、現にフィンクスなんかは彼女がいた頃女に尻に敷かれていた。一応一般的な考えが0というわけでは無いのだが、フェイタンは別のようだ。

「酷すぎない?逃げられちゃうよ?」

「アイツは逃げたりしないね」

どっからそんな自信が湧いて来るんだよ。金も持たせてくれない上に出掛けさせてもくれなくて、飯すら2.3日我慢しろって言われて逃げない方がおかしいだろっとシャルナークは思いながら、どうにか興味の湧いたリノンとやらに会えないかと考える。
初めは、自分がいくら探しても情報を得れない相手への興味だったが、今は珍しくフェイタンが執着している人間への興味へ変わって何が何でも見てやろうと思っている。

「でもさ、流石に可哀想じゃない?なんかやらかして飯抜きにしてるの?」

「、、、、、急いででたら、忘れたね」

「。。。。。。。酷くない?」

何となく予想はしていたけど、自分が忘れたにも関わらずお金も持たせず出かけるのも禁止、ご飯も置いてきてないとは、無自覚でやっているのだろうか。仮にも一緒に住んでるんだろっと思ったが、よく考えればあのフェイタンが女と一緒に住んでいる=彼女と思っていたけど、フェイタンに彼女な訳ないか。だったらペット?まぁ、それはそれでも面白いけどっとシャルナークは思いながら、フェイタンにもう一押ししてみる。

「じゃ、何か買って持ってくのは?ホテルからも出さないし、流石に死にはしなくてもホテルからでれない上に飯抜きは可哀想でしょ?」

シャルナークはフェイタンが例え可哀想だと思っていなくても普通はそうだよっという意味をこめてフェイタンにそういうと、フェイタンは考えだした。

確かに自分の落ち度だった。
リノンを拷問した末に殺し、ホテルに連れ帰り、また、前の様にリノンの全てに触れたくなって、浴槽で解体した。ひとしきり落ち着いて気づいた時には仕事の連絡で何度も携帯が鳴っていた。で急いで出てきたので、部屋に置いてきたのはリノンが読めない字で書いた紙一つだ。
だが、シャルを行かせるのは癪に触る。それで無しにリノンが触られたというだけで発狂しそうになるくらいなのに、男と部屋に二人になるというシュチュエーションを想像するだけで腹立たしい。

「にしても、そんな事されても逃げないってよっぽど優しい子なんだろうね」

食事一つで酷いや何だと言ってくるのだ。数日前に拷問した末に1度殺した何て言ったら絶句するだろう。と思いながらシャルナークの言葉にフェイタンは今までの事を思い出した。そういえば自分がリノンにしてあげた事は、服を買い与えたくらいだった。食事も少なくとも1日一回あげれば文句は言わないし、服だって欲しいと言ったのは1着だけ。そして、今度は食事すらも与えないと考えると確かに酷い様な気がしてきた。

「、、、渡すだけよ、ドアノブに置いてくるね」

「わかったよ、全く過保護なのか何なのか」

シャルナークはフェイタンのこの執着は嫉妬などではなく、玩具が勝手にいなくなられるからなんだろうとフェイタンの気持ちも知らずそう思った。



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