飽き反芻

飽き反芻_痛みと愛と呪縛 | ナノ
痛みと愛と呪縛


「ハァハァ、、、あと、、あと、ハァ何分?」

疲れてすぐに寝てしまった昨日、ぐっすり深い眠りについて体力も回復した今日、私は意地でもフェイタンに言われた課題をクリアして外に出かけるんだと奮闘していた。
今日もフェイタンは私の横で本を読んで何も話しかけて来なかったが、相変わらず時間が分からないのでいつまで続くのか業を煮やして思わず彼に問いかけたが中々返答が返って来ない。

−もしかして終わってるとかじゃないよね!

疲れからかちょっと苛立つがそれは決して外には出さない。そんな事をしてしまえば外に出る以前に何度か死んで外に出るのに何日かかるか、もしくは一生出してもらうことなんてできないだろう。

「フェイ、、タンッ」

もう、あと少しで私の体力は尽きてしまうだろう事は分かっていたので、少しねだるようにフェイタンの名前を読んでみたら、こっちをチラッと見る。

「ハァあと、、、ハァ、どれく、らい?」

フェイタンは少し面倒くさそうにしながら、

「1分ね」

と答えてくれた。ほんの後少し後少しと思い、気を引き締める。呼吸が早くなって息もしにくいが後1分なら何とかなると思い頑張る。フェイタンはまた本を見て、何も言わなくなり、私の呼吸とフェイタンの本を捲る音が響く。

フェイタンが何ページ捲っただろうか。

「フェイ、ハァ、、タン、まだ?ハァ」

「後1分ね」

「それっハァハァさっきも聞いた!、、、さっきも、、1分って言ってた!」

思わず練をやめてフェイタンの方を向き、思わず言ってしまった。やってしまったっと思ったがもう言ってしまったものは仕方ないと開き直って、睨めばフェイタンは笑っている。

「騙される方が悪いね」

っと意地悪な笑みを浮かべ、それだけ元気ならまだ続けられるはずねと言い出す。必死だったんだからと思いながらもそこまでは言わない。フェイタンのご機嫌はさほど悪くなってないし、まだ外に連れて行ってくれるかもと期待して。

「早く着替えてくるね」

やったぁ、と心の中で思ったが身体が中々言う事を聞いてくれない。のっそりとソファから立ち上がり、フラフラとする身体を必死に支えながら着替えに向かう。
寝室に行くと何時も私が服を置いていた場所に何時もと違う服が置いてあった。

白の少しフリルが付いているシャツに黒いロングのプリーツスカートと黒いパンプス

−可愛い、買ってきてくれたのかな

ちょっと嬉しくなり疲れて疲労困憊だったのが嘘のようにテンションが上がってくる。置いてあった服に袖を通して、楽しみだなぁとワクワクしながら着替えた。
ただ、ちょっと先ほど練の維持で多少汗をかいていたのでシャワーでも浴びれば良かったかとも思った。
だけどさっさと着替えて来いと言われたし、待たせるわけにはいかないので、そのまま着替えて、髪だけクシャクシャになっていないか確認して部屋を出た。

−デートの前みたい

ちょっとそんな事を思いながら、リビングに行くと、フェイタンはまた口の付近まで隠れた黒い衣装を着ていた。このへんの人達は皆あんな服着てるのかなっと思った。

「逃げらなら殺すね、わかたか?」

「逃げたりしないよ?」

殺すとか物騒な事を言うフェイタンに今更何を聞いているのかと疑問に思いながら返事をした。
逃げようと思っているならフェイタンが出かけた5日の間に逃げている。そんな目の前で逃げ出すなんて馬鹿な事はしないし、もしそうしたとして、私は死なないが一瞬で殺されて周りは大騒ぎだろう。

離れるんじゃないねっとフェイタンは付け加えるように行って、玄関に向かった。

「何処に行くの?」

「服でも盗りに行くよ」

取りに?何処かここ以外の家があるのかはたまた誰かから貰いに行くのかと疑問に思いながらも私は、地名を出されてもわからないだろうからそれ以上は聞かなかった。


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