:: ▼TF4(仮)



▼TF4の長編にしようかなと思っているもの
(公開前に妄想で書いていたものがわりと本編に近いものだった)



―数年が経っていた。
私が、こうして辺境に住まい、まるで身を隠すようにして生活するようになってから。あの戦いが終わってから。そして、大切な人たちと離れ離れになってしまってから。

事情は悔しくも、やむを得ないことだった。
確かにシカゴでの惨劇は彼ら金属生命体[トランスフォーマー]が終わらせたものの、反対派が軍を押し寄せたのだ。
戦争は終わった、ならば軍は必要無いと宣言し、NEST部隊は解散を余儀なくされ、その一員であった私も長年担いでいた銃を捨てることとなった。

上司は悔恨を抑え切れずに唇を噛み締めていた。一方私も心の中の1つが突き抜けてゆく感覚を覚えた。
解散という二文字は、受け入れるには大き過ぎたのだ。

軽くキャパオーバーを起こす私。ざわつく会場。そこは人しかいない場であったが、あの時、決定を下した連中に殴り掛かれたらどんなに精々したことだろうか―。


彼、ディーノとは、本当に稀に連絡を取るくらいでほとんど音信不通状態に近い。何処に居るのかなど愚問であり、私には彼の声しか届かない。
仕方ないと、いつも自分に言い聞かせているけど、どうしてこんな羽目になってしまったのだろうかという疑問が止むことはない。
シカゴで戦ったのは、彼らだというのに。常に私の傍に居てくれたのも、彼らであり彼であった。それなのに――どうして。


会いたいという気持ちを押し殺して、彼らが無事であることを祈りつつ、着替えなど全て終わらせてから私は日課の朝食前のコーヒーを飲む。朝のスタート。苦い味は私の心情のようだった。
これで始まる今日はいつものように平凡で退屈で窮屈であったら、まだ、良かったのかもしれない。


――――
元NEST隊員を推してみる

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2014.08.13 (Wed)


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