今日は大切な美咲の誕生日。
最近は一年がとてもあっという間で、それでも一日一日が充実していて、毎日が楽しい。

今までにはない感情で自分でもびっくりしているんだが、人を好きになると変われるらしい。
そんな美咲に思いっきり何かしてやりたいと思う。
普段は居候の身だからと言って遠慮がちな美咲でも誕生日プレゼントとなれば受け取ってくれるだろうから。


「美咲、」
「なにー?今、手が離せないんだけどー」
「今日が何の日か知っているか?」
「んー、なんかあったっけ?」


やっぱり自分の誕生日すら忘れているおバカな美咲だ。
慌ただしく夏休みの課題を机に向かってやっている美咲なんてお構いなしで俺は後ろから抱きしめた。すると、美咲は予想通りの反応で俺の腕から逃れようとする。


「ちょ、うさぎさん!!」
「課題なんて明日やればいい」
「ダメ!それだといつまで経っても終わんないんだから!」
「いいから」
「もう!うさぎさんはいつもタイミングが悪いんだよ!」
「え?」
「あ、わーわーなんでもないっ!」


俺は美咲の言葉に少しだけ頭をひねらせた。
タイミングが悪くなければ、抱きついてほしい…と自分なりの解釈をすると美咲もそれに気づいたらしく、慌てて否定し出した。


「そうか…」
「いや、だから!!」


抱きしめる力を強めて美咲が逃れられないようしてから、今日が誕生日であることを伝えるとやっぱり忘れていたようで照れながらありがとうと例を言ってきた。
そんな美咲にもう一度おめでとうを言い、さらに一言耳元で付け足した。


「生まれてきてくれて、ありがとう」
「っ!!」


真っ赤になりながら言葉を失う美咲が可愛すぎて頬が緩んだ。


「‥で、プレゼントはなんだと思う?」
「漫画みたいにプレゼントは私!とか言うオチじゃないことを祈るよ」
「そのつもりなんだが…」
「へ、返品で!!」


俺のすべてをやるよ…
そう耳元で囁くとさらに赤みの増した美咲が俺の唇を奪って小声で呟いた。


「‥‥い、いっぱい、もらってるよ」


そんな可愛いことを言うものだから、頬を緩めながら今度は俺から美咲の唇を奪い、加減も出来ず激しく抱いてしまったのは言うまでもない。


Fin..


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