第三話

オレが大名の娘と婚儀を挙げると決定してから、周りが騒がしくなった。

大名に承諾したと返事を送ってみれば、あちらも承諾したとの返事がきたから、尚更周りが煩くなった。



修行しに森にでも行くか……。

婚約が成立してからというものの、何人かの女がオレに好きだったと泣いてすがりつかれることもあった。
女は鬱陶しい……。
一番厄介かもしれんな…



「兄さんに想いを寄せてた人があんなにいるなんて…ビックリだよ。結婚する前に告白しておこうと皆必死なんだね。」



「…下らんな。」



修行場へ向かう途中、イズナにまでこう言われるとはな…
結構広まっているんだな…尚更鬱陶しいな



「大名の娘さんはなかなかの美人なんだってさ。10人もいる娘さんのうちの一番末の子がうちに嫁いでくるらしいよ。」



「……そうか。」



「あとね、これは噂なんだけど、その一番末の子は気性が結構激しいらしいよ。まぁ、気性が激しいっていうのもハッキリ物が言えるっていうタイプだから…兄さんと釣り合うんじゃない?」



「……。お前、少し楽しそうだな。」



「噂だけ聞いてると、兄さんとどんな夫婦になるんだろうと想像したらね…!」



「下らん想像してないで、今日は思いっきり修行するぞ!」



「はいはい…」


今のオレには嫁いでくる娘に全く興味がなかった。結婚というものに実感がないからな…。妻など飾り人形みたいなものだろうしな。大名の娘だから尚更か…。
今日は次の戦に向けて修行するぞ…
柱間には負けられんからな……!



オレの頭は戦の事で一杯だった。





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