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kmtプラス「エラーが発生しました!」





隣の席の我妻くんはなんというかとても残念な人だ。
キラキラと反射して光る金糸がとても綺麗でジッと黒板を見ている姿は好感が持てるのに宇髄先生にパシ…手伝いに駆り出される姿や、少しでも女の子やモテる男を見たら豹変する。

「は゛ぁ゛ぁ゛……伊之助ばっかズルい」

今日だって一つ下の嘴平くんの顔を見て大きな溜息をついていた。いやわかるよ、うん、彼の顔は国宝級だし、そんな顔つけて産まれ落ちた彼の顔面偏差値にぶうたれる気持ちはね。
ぶっちゃけ私は我妻くんのことをとんでもないヘタレでだっさい男の子だと思っていた。
そう、この時までは。

「わ、ぁ」

昨夜気になっていたドラマの一挙放送があってつい夜更かしをしてしまった。今日が土曜授業だと言うことは分かっていたがどうせ午前中だけだしとタカをくくっていたのだ。そうしたらどうだ、寝不足がピークを迎えた頃に階段を踏み外してしまったのだ。しかも結構高い位置から。
───────落ちる!!
来るであろう痛みに備えて気持ちをギュッと引き締める。もしかしたら骨が折れるかも、そんなことを考えていたら視界に広がる金色が見えた。

「ど、どいてください!」
「え?あ、!?」

とす。どいて!そう言ったのにあろうことか我妻くんは私を軽々と抱き留めたのだ。見た感じモヤシのように見えた身体は意外と筋肉がついていてガッチリしていて不覚にも胸がきゅんとした。

「大丈夫?」
「あ、、は、はい、ありがと…ございました…」
「あんまり寝てないの?」

するりと目の下のクマがあろうところを我妻くんの親指が触れる。私より高い体温にまた胸がぐっとなる。

「き、昨日ドラマの一挙放送やってて…」
「あーあれね、遅くまでしてたのに、全部見たんだ?」
「まぁ……気になってたから…」
「でもちゃんと寝なきゃダメだよ?」

ふわり、ほわ、花がほころぶような、ポンポンと咲くような、そんな陽だまりのような笑顔が向けられる。

「気をつけてね。」

エラーが発生しました!
(だってヘタレだって思ってたのに!)
(こんなの聞いてないです!)

#kmtプラス



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