「じーんちゃん。雄まんこグッチャグチャなのに、可愛いチンコもドッロドロだ……よ?」
「っく、そ……や、ろ、ぉ……ッ!!」
「あ……『くそ』はやだ……かも」

 灰色に染められた短い髪がサラッと揺れ、那須川秋日(なすかわしゅうか)は指が嵌るシリコンピックを尿道へ押し込んだ。シリコンピックの先端は輪になっており、そこに嵌めた人差し指を楽しげに上下させた。
 尿道へ押し込まれたシリコンの棒に、仁介(じんすけ)は喉を反らせて腰を揺すった。仁介は左右それぞれの足を脛と太腿がくっ付くようにベルトと金具で拘束されており、そのベルトに手首のベルトも繋がれていた。仰向きとは言え、身動きできず苦しい体勢を強いられてベッドの上でのたうつ。
 全裸の仁介に対し、那須川はTシャツとボクサーパンツを履いており、仁介の羞恥を煽った。
 尿道へ那須川の気分でシリコンピックを抜き差しされ、ローション濡れのアナルには太めのディルドが挿入されていた。仁介が暴れるたびに出たり、入ったりを繰り返す卑猥な形の玩具がぬちぬちと音を鳴らす。

「っ、ぅああ"あ"、あ"っ!!!」
「もっと可愛い声……出して……欲しい」
「AVの見過ぎかよ!死、ね……っ!!」
「口悪い……よ」

 ジュルッ!と音が聞こえるほどの勢いでシリコンピックを引き抜いた那須川の表情は少し楽しそうなものだった。
 それを視界の端で見た仁介は息を呑んだ。

「っか、は!ぁ、あ、あぁ"ああ"あっ……!!……っ!?」

 身体を硬直させ、腰を突き出した仁介は目の前がチカチカと点滅するのを感じて気を飛ばし、動かなくなった。脱力した身体とは逆に勃起したままのペニスから僅かな尿が垂れた。

「……じーん?ごめん、やり過ぎた……かな?ねーぇ、起きて。あ、ちんちん元気なくなってきた。じん……じん?ねぇっ……てば」

 ベッドで拘束されたままぐったりとしている仁介のペニスを手に、那須川は口を近づけた。名前を優しく呼びながら内股へ唇を滑らせ、震えるペニスを口へ含んだ。ぢゅっとキツく吸うように唇を上下させる。舌を絡めて唾液を纏わせ、ぢゅぽっ…と吸い上げると再び固く熱を持ってペニスは立ち上がった。

「……しゅー、か……」
「起きた。……やり過ぎたかな……?でも、気持ち良かった……でしょ?」

 那須川はペニスの先端を舌先で舐めながら視線を仁介に向けた。
 仁介は那須川が己のペニスを舐める姿を目で追いながら、小さく頷く。
 
「可愛い。じんが素直になる瞬間、僕はすごく……幸せな気持ちに……なる」

 那須川は身体を移動させて仁介の足の間に入った。仁介の胸に手のひらを置き、目を閉じる。
 固定されている仁介はされるがまま、那須川を見つめた。

「じんの心臓がドキドキしてて、僕のもドキドキしてて……すごく興奮してる」
「……秋日、キスしろ」

 仁介に上から言われ、那須川は微かに眉尻を下げた。整った顔が寂しそうに笑う。

「『キスして』って言って……欲しい」
「別にして欲しいわけじゃねぇよ」
「……じん……そうなの……?」

 仁介のつり目が那須川を遠慮なく見つめる。目元は涙で濡れて少し赤くなっているのに、強い眼差しが那須川だけを見ていた。

「秋日、あんたを……少しでも感じさせてぇから」

 坊主頭にトライバルの剃り込みを入れた、目つきの悪い青年は舌を差し出した。舌先のシルバーのピアスが鈍く光り、那須川を誘う。

「じん……!」

 思ってもいなかった仁介の言葉に、那須川の茶色の瞳が揺れた。誘われるがまま、唇を合わせる。
 ちゅっ、ちゅ……と遠慮の無い仁介の下の動きに伴う音が那須川を興奮させた。舌から、甘い疼きが下半身に甘く広がる感覚。恐る恐る手を伸ばし、那須川は自分の下腹部を触った。
 これ以上ないほど愛しい男の体温を感じて心が震え、その痴態に恐ろしく興奮している。なのに、ピクリとも反応しない己の雄に触れて那須川は瞳をきつく閉じた。
 彼とひとつになりたい。自分の肉体で感じさせたい。自分を求めて欲しい。
 そんな感情を裏切る肉の塊。

「……ん……オイ。キスしてんだから泣いてんじゃねぇよ」
「……じん、愛してる。僕はじんが好きだ。じんも僕を……好き?」
「ああ。だから……こんなクソみたいな事も許してんだろぉが。ちんこ穴に変なもの突っ込むのやめろ」
「僕を、好き?」

 那須川は自分の使えない雄を仁介の固く立ち上がるペニスに押し付けた。ビクッと眉を潜めた仁介の頬が微かに染まる。けれど睨むような視線は那須川を捕らえて離さず、動きずらい格好のまま首をもたげた。
 ゴツ……と額が優しくぶつかり、仁介は那須川の下唇を強く噛んだ。ビクッと硬直した身体に反して柔らかい皮膚が裂け、微かに血が滲み出す。
 仁介はピアスの光る舌先で、べろりと那須川の唇を舐めてから離れた。

「しゅーか!好きだから許してる。そうじゃなきゃこんなのゴメンだ。めそめそすんじゃねぇよ」

 低く、唸るような言い方に那須川は痛む唇を舐めながら頷いた。『ごめんね』と小さな声が唇の隙間から溢れる。
 那須川の唇が再び仁介と重なり、互いに大きく口を開いて舌を差し出し舐め合う。
 仁介の舌ピアスが、那須川の舌をなぶるように暴れ回る。
 ただ、熱い息遣いと唾液の絡む音が静かな部屋を支配した。

 





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