霧丘は壁に押さえつけられた状態でマーリのペニスをアナルへ受け入れた。指で慣らしたとは言え、マーリの長大な熱は霧丘を翻弄する。下半身の衣類は剥ぎ取られ、足を開いて尻を向けている様は微かに霧丘のプライドを笑ったが、それ以上にマーリを求める身体があった。
 最初の労りは何処へやら。貪るようにマーリの突き上げ始めた動きに、霧丘は自分のネクタイを噛み締めて声を耐えるのが精一杯だった。少しでも気を抜けば、快感に叫びそうだった。たった数日前の事なのに、飢えに飢えた生き物のように打ち込まれるペニスに身体が悦ぶ。

「っはぁ、はぁ…霧丘ぁ、すごい…っナカがぎゅって、熱くて、グチョグチョ音、鳴らして、ボクのちんこもぐもぐってするぅ」
「っ、…!」

 背後から身体を寄せ、抱き込まれながら耳元で快感を伝えるマーリ。
 霧丘は耳元で喘がれてさらにアナルが締まった。内部のマーリをリアルに感じ、マーリの手の中にある霧丘のペニスから涎が垂れた。

「んんっ、あああっ!すごいよぉ…!そんなに、ぎゅうぎゅうしたらっ…ピアスとれるぅ…!腰、止まんないぃ…!」

 弱音を吐きながらもガツガツと腰を打ち込むマーリの顔は完全に雄だった。今、自分が抱いている相手は『俺のものだ』と言わんばかりに突き上げる。口から漏れる喘ぎとは逆に、ギラつく視線は霧丘を捉えて放さず、マーキングでもするかのように何度も中に出す。

「ああっ!また、出ちゃう…!霧丘の熱いお尻に、出させて…!ねぇ、出すよぉ」
「ち、調子に、乗るんじゃ…ねえ!」

 何度か出されている状況で、もはやマーリのペースに飲み込まれつつある醜態に霧丘が制御しようと睨み付けるように後ろを振り返った。
 マーリはずっと霧丘を見つめていた。視線が絡み、霧丘は犯された日にも見た事のない彼の熱い瞳に言葉が消えた。不意にマーリは霧丘の腰を掴んだ。
 いっそう大きく強い腰使いが始まり霧丘の視界がチカチカと白んだ。丸くカットされたダイヤのピアスがマーリのペニスに喰い込み、霧丘の性感帯を容赦無く抉る。

「っ……!あぁっ、くそっ!」
「はぁっ、はぁっ、霧丘、すごい!好き!ボクのちんこ、気持ちいい…?いいよね?霧丘の、奥に、出させて?」
「ぐ、あぁあ!!マー、リ!落ち着、け!これ以上…っ」

 霧丘の声を聞き、マーリは首筋を舐めるように唇を這わせながら最奥まで突き入れた。ドクドクと下腹部に集まる熱を全て捧げるように霧丘の中に出す。少しでも萎えさせないように刺激を与え続けていた霧丘のペニスからも精液が滴る。出しながら何度か腰を押し付け、汗が滲む男らしい背中を抱きしめた。

「霧丘、好き…ボクの…。絶対、霧丘の役に立つから、要らなく…なった時は、自由じゃなくて、いい。殺して…ください」

 涙声で懇願するマーリを背中に感じ、荒い息を落ち着かせながら霧丘は目を閉じた。

「はぁ、はぁ…はー…、分かった…から、もう、抜け…ケツが、壊れる…」
「う、うぅ…ひくっ、霧丘ぁ…」
「マーリ…俺が、殺すまでは、死ぬな」
「ひっく、う、うん!」
「…覚悟しろ」

 それはマーリに向けてなのか、自分に向けてなのか。霧丘は言葉を噛み締めるように絞り出した。
 低く、色気の滲む霧丘の声にマーリは何度も頷き、涙を流しながら腕の中の主人をいっそう強く抱き締めた。





 その後、旅支度の品を準備して帰った佐野は、別れた時よりも顔をボコボコに腫らして床に正座させられているマーリの満面の笑顔を見て短い悲鳴を上げた。



end.







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