Aqua blue | ナノ


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新side

☆★☆★☆★☆★☆★

むちゃくちゃかわーいーいー!
真っ赤になった顔!俺のほうがオチるって!
ホレるって!

上から再びキスマーク付けたアイツを包み込んだ時、なんとも幸せな気分になった。


「なーに、にやにやしてんだ」
ニナガワの声にオレは眉を寄せる。
せっかくいい気分だったのに!
「うるさい」
「役にたった? キスマーク」
「まぁな。でも二度とすんな」
「ふーん?」
またもにやけながらニナガワはキスマークを眺める。
「やるなー、歯型まで付いてる。お前、愛されちゃってる?」
「うるさい」
「うるさいねぇ……。愛のキューピットに向かって」
オレはニナガワを睨むと教室を出た。


行く所といったらやっぱ屋上。
その前にアイツの顔見て行くかなと、1年の教室に足を運ぶ。

1―C。
ヒナタのクラス。
弁当を食べ終わった昼時間。
ヒナタは窓際の席に座り空と思われる弁当を枕に顔をこちらに向け寝ていた。
ナカザワがオレに気付く。
ヒナタを起こそうとしてオレはナカザワに首を振った。


で、屋上で一服。
青い空に白い雲がゆっくり流れてる。

「センパイ!」
屋上の扉が開き、ヒナタがオレのトコへ寄ってくる。
「起きたのか」
「うん。顔上げたらセンパイが来たってナカザワが言うから、
センパイのクラスに行ったけどニナガワセンパイがいないって言うから、ここかなって」
オレの隣に座るヒナタ。
「そうか」

オレは持っていたタバコをヒナタの唇に乗せて立ち上がる。
「ゲホッゴホッ」
「バッカ、吸うなよ」
「まずい。よくこんなの吸ってるね」
「大人だからな」
「一つしか違わないくせに」
ヒナタを小突いてタバコを貰う。

「ねーセンパイ」
「ん?」
「風があって気持ちいいね」
うーん、と伸びをするとヒナタは目をつぶった。
風がヒナタの髪をさらっていく。

「あ」
ヒナタがグラウンドの誰かに手を振った。グラウンドの奴も手を振り返している。
「誰?」
見覚えのない顔だった。
「同じクラスの奴。ちょっと変わってておれとしか話さないんだ」
「ふうん。名前なんて言うんだ?」
「ヤマサキヤクモ」
にこっとヒナタは笑った。

その笑顔にキスしたくなる。

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