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新side
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かぷりと噛んだヒナタがちらりと上目遣いでオレを見た。
そんなヒナタがかわいくて、耳たぶを甘噛みする。
「んっ」
もぞりとヒナタが体をくゆらす。
「感じる?」
ヒナタは耳が弱いようだ。
「センパイ」
コントローラを置いてヒナタがこっちを向いた。
「あ、……えっとね?」
「ヒナタ。ちゅーして、い?」
「え? あ、うん」
頬をピンクに染め、ヒナタは頷いた。
ヒナタのかわいい唇にオレの唇を重ねる。
最初は軽く、でもそのうちヒナタを堪能するが如く、舌を入れた。
ぴくりと反応したヒナタだけど、オレの舌を追い出すことはしなかった。
歯列を割ってヒナタの舌を絡めとる。
ヒナタは両腕をオレの首にに回し、自分から舌を絡ませてきた。
積極的だな、ヒナタ。
そう思った時、唇が離された。
顔を真っ赤にして、様子を伺うようにオレを見る。
たぶん、積極的になった自分が恥ずかしくなって、オレの反応を見てるってトコか。
そんなヒナタがかわいい。
「ヒナタ、サイコー」
ポンポンと軽く頭を叩く。
「ヒナタ」
こつんとおでことおでこをひっつける。
「オレ、かなり幸せかもしんない」
「おれだって幸せだよ、センパイといる事ができるから」
かわいいかわいい。閉じ込めてオレだけのモノにしちゃいたいくらい。
けどね、そんな幸せを壊すヤツがいたんだよ。
ガン!
ドアが蹴られた音。
びくりとヒナタが跳ねた。
「ウミだ」
「えぇ!」
慌ててヒナタはオレから離れドアを見る。
「何やってんだよ」
ハギヤが出ていったままの開けられたままのドアの外、ウミがこっちを睨んでいた。
「スキンシップ」
オレがそう言うと身を翻(ヒルガエ)し、階下に降りて行った。
「あいつだろ? ヒナタ殴ったの」
「あ、たぶん。見分けつかないから……」
「髪染めてるのはウミ。リクは染めてない」
「あ、じゃあ、あいつだ」
「……ごめんな?」
ヒナタはぶんぶんと首を振った。
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