心の欠片 | ナノ


▼ 3

部屋に戻れば同室の岡崎将司(マサシ)が共有リビングのソファーに座っていた。

「おかえり、タケやん」
「おー」

寮は2人1部屋。中に入れば共有リビングに左右の個人部屋がある。

「タケやん、大丈夫か? 具合悪いって聞いたけど」
「誰から聞いた?」
「シノちゃん」
「あー、千早からか」
「まー、無理すんな?」
「将」
「ん?」
「肩貸せ」
将司の横にどさりと座る。そして肩に頭を乗せた。

「どした? 具合悪い?」
「いや。あいつがうろちょろするから疲れた」
「五月?」
「そう」
「確かにうるさいな。大和の友達だっけ? なんで大和は友達がタケやん狙ってる事気付かないかね」
「その鈍なトコが大和の良さだ」
「まぁね。……でさ? ここにいない他のセフレ誉めずに目の前にいるセフレを誉めてほしいんだけど、タケやん」
「誉める要素があったか、お前」
「うわっひどいね、それ。傷ついた。肩貸さね」
立ち上がりかけて尊の腕に引き戻される。

「肩貸してくれる優しいところ」
「……貸してやる」
「サンキュ」
再び尊の頭が将司の肩に乗る。

「タケやん」
「何」
「ベッド行かない?」
「したいのか?」
「違う。タケやん、マジ具合悪いっポイからさ。寝たほうがいいんじゃないかと思って」
「……もう少しこうしててくれ」
「了解」

うるさかろうと将司はテレビを消した。
尊が身動ぎする。

「ここにいるから」
「……やっぱベッド行こうぜ」
「いいよ」

将司のベッドに転がり込む。
尊は将司を抱き込むと首筋に顔を埋めた。
「タケやんが甘えてくるって珍しいな」
「そうか?」
「うん。なんかうれしいよ」
尊の手が将司の頭を撫でた。

「しようぜ、将」
「タケやん、大丈夫なわけ?」
「ああ」
「じゃあ、いいよ」

寄せていた首筋にキスを落とし、くんと匂いを嗅ぐ。
「千早と同じ……匂い」
「あ、あいつの香水かな? 寒くてジャケット借りたんだ。……っ」
将司の首筋に紅い跡をつける。

「……タケやんはさ、すっげー千早の事、気に入ってるじゃん? なんでセフレにしないの?」
「あいつ、俺に告ってないから」
「え、じゃおれ含めてタケやんに告白した奴ら全員、セフレ?」
「五月を除いてな」
「何人いるの」
「さー? 数えた事ねーよ」
「ってか、五月に告白されてたんだ」
「……」
返事の代わりに胸の突起に噛み付いた。

ぴくんと将司の身体が小さく跳ねた。

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