Pink champagne | ナノ


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そろそろ夜のパレードが始まる時間、蓮路が帰ろうとネズミーランドを出た。

帰って少し寝たほうがいい、そう言って。

三鷹はデート出来れば徹夜でも良かったが、蓮路が仕事、夜もあるんだから少しは寝とけとなったのだ。

しぶる三鷹を笑って、今度ダブルデートしようと言った。

「……また会ってくれるんだ?」
「なんだ、これっきりなわけ?」
「そ、そういうわけじゃねーよ」
すねたように三鷹は横を向いた。

「家まで送ってやるよ」
帰りの運転は蓮路がした。車の中で少しでも寝れるように。



家に帰れば明かりが点いていた。
「どこ行ってたの」
「なんだ、お前バイトは?」
「んなの、休んだ。どこ行ってたの」
「ネズミーランド」
拓海がむっと黙る。すぐに答えると思ってなかったのだろう。

「オレとは行ったことないじゃん……」
「ないな。店長から電話あったのか?」
拓海は首を振って予約がてら店に行ったと答えた。

「拓海。ごめん」
「許す。……せめて電話してね、今度から。会ってもいいから、お願い」
「わかった」
拓海の腕の中に飛び込んでぎゅっと拓海の腰に両手を回した。
拓海も抱き返してくれる。


「三鷹さんてどんな人?」
「拓海にも紹介する。三鷹は多分高校の時に会っていたら、俺ライバル視してそうな人だな。絶対ダチにはならなかった。今だから話が合うのかもな」
「じゃあ、蓮路さんとオレが同じ年で出会ってたら?」
「拓海は変わらないだろ。やっぱり付き合ってたんじゃね?」
「そっか。ねぇ蓮路さん」
「何?」
「その……、蓮路さんて付き合ってた彼女いたの」

蓮路が顔を上げた。
「いないと思うか?」
「いたのか。そうだよ、蓮路さんもてそうだもんな」
「拓海、大学でもてるだろ」
「え」
「髪型も服も俺好み。1年前とじゃかなり拓海かわったからな」
拓海が下を向く。ソファーに座る蓮路からは拓海の顔はよくわかった。

「やっぱな」
拓海の表情を見れば拓海がもてているというのがすぐわかる。

「俺今度拓海の大学に潜入しよう」
「え、なんで?」
「もてっぷりを見に」
「来なくていいよ」
ちょっと困ったように拓海は蓮路を見た。

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