花も嵐も | ナノ


▼ 8

「旦那様とかいいな。はな、嫁さんになって」
「うん……」
「俺ではなはいいわけ?」
「嵐じゃないと駄目。嵐は? 後悔しない?」
「しないよ。しない自信ある。はながさ、女なら、俺、はなの親にはな下さいってとっくに言ってるわ」
「なんで?」
「はなはさ、友達の中じゃ特別なんだよ。傍にいたし。男だからどうにかなるとか考えなかっただけ。はなが女なら既成事実作ったかもな」
「……マジで?」
「ああ」
至極真面目に嵐は答える。

「女と駄目になってたのははなの事がどっかあったのかもな」
「嵐……」
「多分、はなが好きだったんだと思う。でも、俺もはなも男じゃん? だから、恋愛対象として見てなかっただけ」
嵐を見つめれば照れたように目が泳いでいた。

「親に言ってもいい。吃驚はされても反対しないような気がするけどな。……そんだけ、はなが好きだって言える」
「オレも反対されない気がする……」
嵐の目と目が合う。

「好きだよ、はな」
そっと唇が合わさった。

ずっと見てきた嵐の目は凄く優しい、そして揺るがない意志があった。

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