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「うん。天狗に連絡入れるよ」
「はな。しなくていい」
「なんで?」
「鞍馬の学年も何回生かもわかってる。直接行こう」
「わかった。いつ行く?」
明日、と嵐は答えた。
「じゃあ、お昼に行こう。明日バイクで大学行く。電車だと時間かかるから」
「こんな時、違う学校だと不便だな」
だね、と笑って。
ご飯を済ませて嵐とごろごろしながらテレビを見ていた。
「あー、眠くなってきた……」
「お風呂沸いてるから入って寝たら?」
「そうするかな」
立ち上がった嵐は風呂に向かう。
「はな、入らないのか」
「次入る」
「一緒に入ろうぜ」
ドアのところでこっちを見ている嵐の姿にくすりと笑みが漏れる。
「いいよ。入ろう」
テレビを消して、嵐の立つドアまで来て嵐を見上げる。
「はーな」
オレのこめかみに嵐の唇が落ちてくる。
抱き込まれて嵐の体温に包まれる。
昔っから嵐の体温には安心する。
嵐全部がオレの安心要素。
啄むようなキスをする嵐の唇を、嵐の瞳を見つめながら舐めた。
「はな、やらし」
「やらしいの、どっち?」
嵐の堅いものが当たってた。
「……俺」
いたずらが見つかったような顔をして笑う。
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