花も嵐も | ナノ


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その日は特に何もなく、普段通り時間は過ぎていった。

きっと何か掴むか、分かればきっと幸夢さんは連絡くれるだろう。

一応、天狗には田舎の出来事をメールしたけど、特に向こうからリアクションはない。

天狗は知ってる内容だからだろう。


「なぁ、はな」
「ん?」

晩御飯。
サラダのトマトを口に入れようとして止まった。

「鞍馬にも会ってみねぇ?」
嵐に言われて、箸を置く。

「どして?」
「な、考えてみろよ。動画の天狗は、天狗じゃないかもしれない、だろ。……鞍馬だったら?」
「……考えなかった訳じゃないけど……」

動画の天狗は言った。

「また会ったね」

あそこにいたのは、風祭、花月さん、天狗と鞍馬。それから天馬さん。

「鞍馬なのかもな」
「……、天馬さんも入れとけ。念の為」
「天馬さん? なんで?」
「背高かった。佳よりな。それに一応現場にいた」
「でも、また会ったなっていう声は天馬さんの声じゃない」
「確認する意味でも、会おうって言ってるんだ」

こくっと唾を飲み込んだ。

消去法なら犯人は鞍馬だ。

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