*飽和さとう水









快感にヨがる名前の、すぐ目の前にある細い肩に吸い付き、あまがみをした。ソファーに腰かけた俺の上で、名前は対面座位の体位で乗っかっている。初体験ということで、今まであんまり使ったことのないローションを使用し、狭い名前の中に滑り込ませる手助けをして、ようやく今挿入できた次第である。緊張から身を固くしている名前の中はただでさえキツいというのに、さらに締められたら、なんだか本当に食い千切られてしまいそうだ。
名前は涙目で痛みに耐え、短い息を吐いた。全部入ったよい、と現状報告をして汗ばむ名前の額にキスを落とすと、照れたように頬を染めた名前は、そう、と一言相づちをうち、ふんわりとはにかんだ。まだ腰は動かさず、しっかりと根本まで挿入したまま、名前の白い腹の上に手を沿わせた。痩せて浮き出たあばらの隙間を、指を沿わせるように撫でる。すると、少しだけ余裕の出来たらしい名前は、くすぐったいよ、と笑った。



「痛いかい?」



『まだ・・・ちょっと』



切れないようにとゆっくり挿入したつもりだったが、それでも名前にとっては苦しいらしく、ヒリヒリするよ、と困ったように笑う彼は、目にかかった髪を払い退けた。まだ本格的に動くには時間がかかりそうだし、慣らしている間に萎えてしまっては困る。自分なりに気をきかせてまだかろうじて勃起している名前の性器に触れると、名前は小さく声をもらし、体に力を入れた。んな緊張しなくても痛いようにはしねェよい。名前に覆い被さるようにソファーの上に体を倒し、薄い胸板にキスをしながら語りかけ、同時に名前のものを上下に扱いた。とたんに色を含んだ声に、俺の性欲も煽られる。次第に濡れてきた性器は、手を動かすたびに、くちゅくちゅといやらしい音をたてて、俺はその先端から溢れる先走りを指と性器に絡めながら名前を刺激し続けた。やがて完璧に硬度を取り戻した性器に俺が笑むと、それを見た名前は、マルコ変態っぽい、と笑った。名前の前ではそうかもねい、なんて軽い冗談を交わ
しつつ俺は体を起こし、十分にリラックスした名前を確認し、腰を大きなストロークでゆっくりと動かした。先端まで徐々に引き抜き、それから根元まで押し込む。ずるずると出入りする熱が生む快感に、思わず息が詰まる。



「痛くねェかい?」



ゆるゆると腰を進めながら再び尋ねると、名前は苦しそうな表情で右手の手の甲を口に押し当てながら、2回、縦に首を振った。じゃあその表情は痛みからじゃないんだな、とひと安心。でも、普段一人で処理する時でも使ったことがないであろう場所に、パンパンに膨張した性器を押し込まれているんだ。少なからず圧迫感は苦しいだろう。俺は再び体を倒して名前に覆い被さると、口に押し当てられていた右手を掴み、頭の横に退かした。歯形のついた手の甲に嬉しいため息が出る。俺は相変わらず困ったような表情で快感を享受する名前の濡れた唇に吸い付くと、すぐに舌を割っていれた。すると遠慮がちに絡ませてきた震える動きの鈍い名前の舌に、自然と腰を打ち付ける速度も上がる。途中、痛いくらいに勃起した名前の性器が、ぬるぬると俺の腹に先端をぶつけてきて、さらに煽られる。唇を離すと、意識して前立腺を抉るように腰を動かした。そこが擦れるたびに声をあげる名前が、可愛くて仕方がない。



徐々に上がっていくスピードを、もう自分では制御出来ないまでに俺は興奮していた。買ったときは絶対に汚さないと決めていたソファーも、今では名前から伝うローションと俺の先走りと粘液でテカテカと光っている。だが、そんなことは気にはならなかった。とにかく今はがむしゃらに、自分の舌で可愛い声を上げながら、俺より先にイってしまわないように、と自ら性器の根本を押さえる名前に腰を打ち付けた。春先の温かくなってきた気候に、じっとりと汗が浮く。自分でも恥ずかしいくらいに必死になって息を切らしながら、部屋の中にいやらしい水音と肉と肉がぶつかり合う音が聞こえるくらいに激しく、俺は快感に溺れていった。
これがラストスパートだ。自分の中に何か込み上げる物を感じ、俺は名前に触れるだけのキスをした。



「イくよい、」



最後は一緒がいい。そう言った名前の願いを叶えてやるため、俺はわざわざ自分の絶頂が近いことを告白してから、体勢を立て直し、細い腰を掴んで、今までで一番早く、激しく、腰を打ち付けた。どれくらい打ち付けたころだろうか、じわじわと沸き上がってくる熱を感じた。我慢するわけでもなく素直に、俺は絶頂へと導かれた。自分が達する寸前に名前の腕を掴むと、解放された性器はびくん、と脈打ち、その白い腹に精液を放った。それと同時に中もきゅうきゅうと俺を締め付け、今さら気付いたが断りもなく、俺は名前の中に欲を放った。びゅるびゅると中に放出される熱に、名前はまだびくびくと体を痙攣させていた。
名前の中からゆっくりと性器を引き抜くと、そこからはどろっとした俺の精液が垂れてきて、一気に申し訳なさが込み上げてきた。悪い、中に出しちまったよい。照れが入って、視線を泳がせて謝った。すると名前はまだ抜け出せない快感の中、肩で息をしながらふんわりと笑った。



『マルコのだもん・・・むしろ嬉しい・・・』



怒られるんじゃないかと少し心配した俺は、名前の言葉に安堵した。ありがとよい、ともう一度名前にキスをすると、珍しく名前が首に腕を絡ませてきた。そのまま強く引かれ、されるがままにまたキスをする。いつもより大胆な名前のリードでのキスは、なんだか不思議な感じがしたが、それはそれで新鮮味があってよかった。
さ、風邪をひく前に温かくしないと。俺は手近にあったパーカーを名前に着せると、テーブルの上のティッシュを取った。











飽和さとう水



(それはとびっきり甘い1日でした)









continue...





20111218


十三話!
夢主の初体験記。




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