兎に角だ。
告白されたのは嬉しいけれど、名前すら分からないのに告白の返事することは出来ない。


『同じクラスなのか。俺なんかのこと好きだと言ってくれる子が居てくれるなんて嬉しい。』

俺は文章を一生懸命考えながらメールを送った。
だってそうだろ?女の子と話す機会なんて、犬飼ファンの女の子から悪口言われる時くらいだし。密かに俺なんかのことを好いてくれている子が居たなんて、それだけで嬉しいことじゃないか。

不思議と上がる口角。
鼻歌だって自然と出てしまう。
次のメールが来るのはまだか、まだかと携帯を握り締めながら待っていると、手の中で携帯が震えた。

急いで携帯を開き、内容を見てみれば、『いつも見てる。もう目が離せなくなるほど好きだ。』と、あまりにも情熱的なことが書かれていて、おもわず赤面してしまった。

い、いつも見てくれているのか…!
嬉しいけど、これはちょっと恥ずかしい。


「しかし、ボーイッシュな子だな」

まだ初期設定のままのメールアドレスもそうだけど、口調とかも。だけど変にキャピキャピしているよりもいい。むしろ好みだ。可愛い。


クラスメイトのどの子かなぁと想像を膨らませながら、俺はメールを送り返したのだった。その日は緊張と興奮で中々寝付けなかったことは言うまでもないだろう。




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