一万円・番外 | ナノ

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こんな恋人好きですか?





<注意書き>
・高瀬がいつも以上にヘタレです。
・高瀬が阿呆です。
・高瀬が馬鹿です。
・高瀬が変態です。
・高瀬が腹黒いです。
若干のキャラ崩壊があります。(ここ重要)

以上の内容が大丈夫だという方は、どうぞよろしければスクロールお願いします。










日曜日の朝、俺達はいつも通りにメールのやりとりをしていた。
おはよう、という挨拶を交わして、今日の予定などを話す。

俺は暇だったので高瀬には、「家でゴロゴロする。」とだけ告げた。

するとどうやら高瀬も用事がなかったようなので、俺の家に来るようになった。
だけど今日の天気は生憎、…雨。

雨がザァザァと降っているのに、わざわざ高瀬に俺の家まで来てもらうのは、何だか気が引けたので、「俺が高瀬の家に行く。」と申し出たのだが、…すぐさま却下された。



……何だか付き合い始めてからより一層、俺は高瀬に甘えてばかりいるような気がする。
俺としては凄く嬉しいのだが、一体高瀬はどう思っているのだろうか?


俺のことを我侭だと思っていないだろうか?
そう考えてしまうと、不安になってしまう。



俺は高瀬の優しさに甘え過ぎているかもしれない。
…俺ももっと高瀬の役に立ちたいな…。
高瀬に頼られる存在になりたい。







______




「いらっしゃい、高瀬。」


「…お邪魔します。」


そして高瀬はあのメールのやり取りから、約二時間後に俺の家まで来てくれた。
雨がたくさん降っている中、傘を差してまで来てくれた。それが凄く嬉しい。



「濡れてる。…今、タオル持ってくるから。」


「タオルより、…仁湖が舐めて拭ってくれるのが嬉しいって言ったらどうする?」


「な、…なめ…っ?!」


高瀬の問題発言に、俺は驚き、そして照れる。高瀬の顔をチラッと見上げると、ほんの少し髪の毛が濡れているのが、いつもより格好良く見えて、余計に恥ずかしくなる。



「…ひ、人をからかうなよな…っ」


俺は高瀬の顔を見るのも恥ずかしくなり、すぐさまその場から逃げ出すように、タオルを取りに行く。
後ろでは、「冗談じゃねぇのに…」とボソリと呟く高瀬の声が聞こえてきたのだが、俺は聞こえないふりをしたのだった。





「…はい、どうぞ…」


「あぁ、…ありがとう仁湖。」


俺は恥ずかしくて高瀬の顔を見ることすら出来なくて、取ってきたタオルをぶっきら棒に渡す。そして高瀬はそんな俺の愛想のない態度に、気を悪くすることすらせずに、いつも通りの優しい声で礼を言ってくれる。


そしてそんな俺のぶっきら棒な態度に、目を細めながら笑うと、高瀬は自分の膝をポンポンと叩く。



「…仁湖、おいで。」



「…や、やだ…っ」


高校生にもなって、膝の上に座るなんて、そんな恥ずかしいことを出来るわけがない。俺は首を横に振って、嫌だと正直に言う。





…そうすれば、




「…チッ」



高瀬は舌打ちをして、俺をジトリと睨みつける。

…こ、こわっ…。
で、でも仕方ない。高瀬の膝の上に座るなんて、恥ずかしいし、恐れ多いし、俺にはそんなこと出来ない。


…高瀬だって俺が出来ないことを知っているはずだ。なのに何で…?



恐怖と羞恥と疑問…。それぞれを抱きながらも、俺は高瀬の思惑を考える。







「………あ、」


……と、そんなことを考えていると、外からゴロゴロと音が聞こえてきた。どうやら雷が鳴り出したらしい。確かに雷が鳴ってもおかしくないくらい、雨が降っていたからな…。




「…って、ちょっ、…た、高瀬?!な、何して…?!」


ゴロゴロとけたたましく鳴る雷の音を聞いていると、急に高瀬が俺の身体を抱きしめてきた。


もちろん俺は慌てふためく。
いきなりどうしたというんだ…っ?



「…た、かせ?」


俺の下腹部に腕を回して、ギュッと抱きついている高瀬。顔を埋めたまま、動こうとしない。


本当に一体どうしたんだろう…?


この様子だと、多分俺に怒っているわけでもなそうだ。そうすると、何故こんな行動を取っているのだろうか?


そして考えること約一分。俺は高瀬のいきなりの行動に、一つの答を導き出した。





「…もしかして、


雷が怖いとか…?」


「…………」



喧嘩が強くて、顔も良くて、頭も良くて、頼りになる高瀬にこんなことを訊くのはおかしいと思う。


…のだが、高瀬は俺の言葉に否定をしない。




どうやら当たっているようだ。




どうしよう…っ。

雷が怖いとか、凄く可愛い…。



物凄い力で抱き締められながらも、俺は暢気にそんなことを考えていた。





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