一万円・番外 | ナノ

 仁湖Ver.



●一万モンスター!●
〜仁湖Ver.〜




※注意
・某有名アニメ、ポ○モンのパロ話です。
・キャラに耳やら尻尾やらが付いてたりします。
・擬人化(?)の姿です。

以上の内容が苦手な方、嫌悪感がある方は、ここでお戻りされた方がよろしいかと思います。
見てからの苦情・批判発言は一切受付けておりません。

大丈夫な方、以上の内容が守れる方のみ、スクロールお願いします。








ひょんな事から、一万マスターになるために旅を始めることとなった、高瀬。



……なのだが、高瀬は全くやる気がなかった。
普通は初めての旅というのは楽しくて仕方がないはず。
初めて見る風景に感動したり、初めて見る一モンに熱くなったり。やる気も元気も根気もあるはずなのだが、……この男、高瀬葵にはそれが全くなかった。


終いには、博士から貰った一万図鑑にモンスターボール、そして傷薬を適当に詰めている鞄を枕にして、横になり寝転ぶ高瀬。



……うとうととなり、後少しで夢の中の住人になろうとしたところで、近くでガチャンという金属音が聞こえ眠りを妨げられる。
起こされたことに苛立ち、眉間に数本の皺を寄せて音がした方向を睨む。



………そしてそこには一モン用に仕掛けられていた罠に引っ掛かってしまった野生の一モンが居た。
その一モンは足首を金属の歯と歯で挟まれて、痛みで身動きが取れないまま血をダラダラと流しているのだ。


「………………」

痛みで顔を真っ赤に染めて汗を流している。
…だがその一モンは悲鳴も、そして恐怖に涙を流すこともせず、ひたすらに我慢をしていた。
動かせる手で何とか罠を外そうとするのだが、非力そうな一モンの手では一向に外せそうになかった。

……そして高瀬はその一モンに近づく。


「……大丈夫か?」

「……っ?!」

高瀬の存在に気付いていなかったのか、肩をビクッと震わせて一モンは驚く。


「…貸してみろ。」


「……チュ…ぅ…」

弱々しく鳴く一モンに高瀬は心を打たれ、金属製の罠を外そうと力を入れる。
この一モンには外せなかったのだが、高瀬の力で罠は以外にもすんなりと外せた。

「…チャァ…ー…」

しかし罠は外せても傷口は深く、ダラダラと血は流れていく。
一モンは痛みを耐えるためか、目の前の高瀬にギュッと縋り付く。
その行動は高瀬の加護欲をそそるには十分過ぎで……、


「…大丈夫だ、安心しろ…。」


高瀬は安心させるために一モンの頭を撫で、そして自分の着ていた服の一部を切り裂き、止血をする。


数十分経って、大分血は出なくなったものの、傷はかなり痛そうだ。
高瀬は一モンの足を持ち上げ、傷口に唇を近づけた。


「…チャァ…っ?!」

ヌル…っと生温い舌で舐められ、一モンは過敏に反応する。
ただでさえ傷が出来て敏感になっているというのに、ゆっくりと舐められれば、身体が勝手に反応してしまう。


「……チュ…ぅ、…チャァ…」


いやいや、と首を振る一モンを横目で見るが、高瀬は止めない。


治療。


…しかし治療というには、何処かいやらしい舌使いで傷口を優しく舐める。


「……ン……っ」

我慢できずに声を漏らせば満足そうに高瀬は笑う。
そして一通り傷を舐め終えた後、高瀬は一モンの足を下ろす。

そして高瀬はこの一モンの名前を知るために、貰った図鑑で名前を調べる。




名前:ニコチュウ
特徴:大人でも痺れさせる程の電気力を持っているが、自分も痺れてしまうのが欠点。電気を溜めるのが下手。警戒心があまりなく人に懐きやすいが、注意力もないためよく危険な目に遭っている



「…ニコチュウ…。」

「…チュ…ゥ」


名前が分かり、高瀬は名前を呼べばニコチュウは反応する。
…しかし先程の怪我と、…そしてその後の高瀬の優しく甘い手当て(?)に体力を消耗しており、元気がない。
黄色がベースとなった耳をペシャン…と下ろし、今にも泣き出しそうな表情をしている。


「……ニコチュウ、…お前、危なっかしいな。」


「チュウ……?」


「俺と一緒に来い……。


一生面倒見てやるから。」


優しく微笑み優しい言葉を言う高瀬にニコチュウは戸惑う。差し出された手を見つめ、キョロキョロとせわしなく視線を彷徨わせる。

…しかしすぐに差し出された手に、遠慮がちに自分の手を重ねた。

そのニコチュウの行動に高瀬はふっ、と笑う。


「…幸せにしてやるよ。」





こうしてやる気のなかった高瀬は一モンをゲット出来たのだった。
……これが高瀬とニコチュウの最初の出会い。



この後、高瀬がニコチュウ以外の一モンをゲットしたのかは、


……誰も知らない。




サ○シ:高瀬
ピカチ○ウ:仁湖



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