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「…ひぁ…ァッ!」
渡辺先生の手によって、ガラッと音を立てて閉められた扉と同時に、俺は我慢していた声をほんの少しだけ出す。
そしてもう一度だけブルリ…と身体を震わせる。
「…は…ァ、…ひ、ひどいよ。何でこんな意地悪…っ」
「…………。」
「…あかさか…?」
俺のペニスを手の平で握ったまま、赤坂は喋りもしないし動きもしない。
様子がおかしい赤坂に、俺は首を傾げる。
「………むかつく。」
「え?」
「俺が居るのに、…他の野郎と喋ってるんじゃねぇよ。」
「ちょ、…えっ、うわっ?!」
何故か一気に機嫌を悪くしている赤坂に驚いていたら、急に赤坂が俺の身体を抱き上げてきたため、俺はより一層驚く。
「…夕は俺だけ見てればいい。他の奴なんか見るんじゃねぇ…」
「…赤坂…?」
赤坂は俺の隣の椅子に座ると、向かい合うように俺を膝の上に乗せる。
不安定な体勢に俺は赤坂の広い肩に手を置く。
「…忘れねぇように、身体に躾けといてやる。」
そして赤坂はニヤリと悪どく口角を上げて笑うと、まだ解してもいない俺の穴に、硬くそそり勃ったペニスを無理矢理挿し込んで来た。
「ちょ、…うぁ…っ!いた、…ぁああンっ」
ヌプ…っ、と自分の体重の所為で、解れてもいないのに赤坂の熱いペニスが入り込んでくる。
まるで身体を引き裂かれるような痛みに、俺はおもわず赤坂の肩に爪を立ててしがみ付く。
「…っ、はぁ…、きつ…っ」
「ンぅっ!ぬ、抜いて…ぇ、…ひぐ、んぁあ…っ」
「美味しそうに、…俺のチンポ喰ってるくせに、抜いてもいいのか…?」
何度受け入れても慣れない挿入時の痛み。
あまりの痛みに泣き出す俺を見て、赤坂は舌を出して流れる涙を舐めてくる。
「ぬ、…いちゃ、…だめ…っ」
「…ん、いい子。」
痛い。
…痛いけど、気持ちいい。
赤坂によって開拓された俺の身体は、痛みさえもすぐに快楽へと変えてしまう。
痛みの次に訪れる、“快楽”が早く欲しくて、俺は赤坂に「抜かないで」とお願いする。
素直な気持ちを告げると、赤坂は少しだけ機嫌が良くなったようだ。何度も何度も俺の顔にキスの嵐を降らしてくれる。
「ひぁあ…っ、ンぅ…」
痛みしか感じなかった挿入は、今では快楽以外の何物でもない。下から強引に突き上げてくる赤坂の腰の動きに、俺は落ちないように赤坂の首に腕を回す。
「…ふぁ…、赤坂ァ、ひゃあンっ」
「夕?…こういうときはどう呼ぶのか教えただろ?」
「ン、…あ、らた…ン、っ、新ァ…」
「…っ、…く…」
俺が“赤坂”から下の名前の“新”と呼び変えると、何故か赤坂の身体がブルリと震える。
行為中は下の名前で呼ぶように言われていた。
恥ずかしいけれど、自我を失いかけている今だからこそ、素直に下の名前で呼ぶことが出来るのだ。
「…新、…っ、ふぁ…、好き、あらた…ァ」
「夕…っ」
俺が“新”と呼ぶと、決まって切羽詰ったような表情を浮かべる赤坂。
身体で「嬉しい」と伝えているように余裕なさそうに、激しく腰を動かし始める。
「…あらたは…?」
「どうした…?」
「俺の、こと…ンぅ、…好き?」
「馬鹿、…聞くまでもねぇだろうが。好きに決まってるだろ。…愛してる。」
「…あ、…ン」
赤坂はそう言うと、チュッと唇にキスをしてくれた。
触れるだけのキスは、どんどんエスカレートしていき、仕舞いには舌を絡め合う濃厚なキスとなっていた。
「ん、ひぅ…っ、んぅ…く」
ピチャピチャと下からも上からも音が聞こえ出す。
決して軽くはない俺の体重を難なく支えている赤坂は、ヌチュ、グチュ…という音と、肌がぶつかり合う破裂音を立てて、激しく抜き挿しを行う。
「あ、…ぅ、ンぅ、ひぁああっ」
「…もっと舌出してみろ。」
「ァ、…ぅ、ン…ふぁあ…」
赤坂に言われるままに舌を出すと、更に深く絡め取られる。器用に激しく動く赤坂の舌に、俺は口端から涎を垂らしながら、気持ち良さに喘ぐ。
グチュ、チュプ…
熱くて大きいペニスで腸内を掻き回され、イきたい衝動に駆られる。
「新、ンっ、ふぁ…ひゃあン、」
「イきそうか?」
「うん…、も…、イっちゃう…、ふ…ァ」
俺が、「新も一緒にイこう」とお願いすると、赤坂は優しい笑みを浮かべると、俺の太股を掴んで上に上げる。
そうすればより一層深い挿入となり、俺の前立腺をゴリゴリと擦る結果となる。
「ひゃああン、っ、んあぁ…」
「…は…、ゆう…、夕…っ」
「あ、…ン、もう出る…っ、ひぁあっ!」
「っ、…くっ」
赤坂の雄臭い低い声を耳元で聞きながら、俺はあまりの気持ち良さに我慢出来ずに、精液を放つ。
ピュク、ピュッ…と白い液体は俺と赤坂の腹に掛かる。
「…ン…ぁ」
そして俺がイったことで締め付けが更にきつくなった所為か、赤坂も俺の中で熱い液体を注いでくれた。
ドプ、ドプ…、と熱い液体が入ってくる感覚に、ブルリと身体を震わせて、快楽を得る。
「…新…ァ」
「どうした?」
「もう一回、したい……っ、て言ったら怒る?」
「いや、…俺も思ってた。」
どうやら俺と赤坂の思いは一緒だったらしい。
俺と赤坂は目を合わせて笑い合うと、どちらからともなく唇を重ね合わせた。
…そして俺達はここが職員室だということを忘れて、何度も身体を重ね合って愛し合ったのだった…。
END
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