「あ、ああ、ああ゛…!」
激し過ぎるピストン…。高瀬のあの男らしい二本の指が俺のお尻の中を出たり入ったりと何度も何度も繰り返されている。
あまりの激しさに俺は息をすることすら忘れて、ただ本能のままに声を上げていた。
「ひぐ、…ぁあ…っ、ンぁあ…」
もう目を開けていることすら億劫。
身体を動かすことも出来ない。
俺はただ高瀬の指の抜き挿しに喘ぐしか出来ないのだ。
室内にはきっと俺のみっともない喘ぎ声とグチュグチュという卑猥な音が鳴り響いているに違いない。
…もしかしたら高瀬が何かを喋っているかもしれないが、もう高瀬の声すら聞き取れることなど出来ない状態になっている。
「あ、…ン…、高瀬…ぇ!」
…怖い。
気持ち良過ぎて怖い。
そのため俺はイきっぱなしで、射精をしている。顔や身体にビチャっと青臭い精液が掛かることに嫌悪しつつも、俺はお尻の中を蠢き回る高瀬の指の動きにただひたすら喘いだ。
「き、もちいい…!あ、…ひぁあ゛ァ、きもち…いよ…ぉ」
本能のままに喘ぐ、叫ぶ。
自慰行為ではこんな快楽は味わったことがない。
気持ちがいい、…もっと、…もっと気持ちよくなりたい。
「………ふ…、ぁ…?」
しかし何故だか高瀬の指の動きが止まった。
…俺は与えられる快感が急になくなったことに不満を感じつつ、閉じていた目を恐る恐ると開ける。
涙で滲んだ視界には、ギラついた目で俺を見下ろす高瀬と、俺のお尻の中に高瀬の中指と薬指が入っている光景が映る。その卑猥な光景に興奮して、俺のペニスは反応を示す。
「……仁湖、」
「………?」
「あんまり、…俺を煽るな。」
額に汗を滲ませて、その汗が高瀬の頬にまで伝っていく。
男臭い高瀬の表情や仕草に胸が高鳴る。
切羽詰ったような高瀬の表情は本当に格好いい…。
「理性が保てなくなる…。」
「た、かせ…?」
「……クソ、」
高瀬は数回頭を横に振ると、再び俺の中に入れている指を激しく動かし始めた。…その高瀬の態度はまるで自身を抑制しているようにも思えた。
何か声を掛けなくてはいけないと思いつつも、与えられる強すぎる快楽に口を開けば喘ぎ声しか出ない。
「ああ、…ンひァ、…ああ…ァ」
「仁湖、…堪らねぇ…、」
「ひぅ、ぐ…ぁあ…あ゛!」
「…もう一本、いけるだろ?」
すると更に一本指を増やされた。
二本から三本に増えて、俺は程よい圧迫感に更に喘ぐ。…こんな姿を高瀬に見られていると思うと恥ずかしいし情けなくも思うけど、…もう駄目なんだ。
気持ち良過ぎて、おかしくなる。
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