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「…今の状態で、キスだけで止まれる自信がない。」


高瀬は優し過ぎる。
こんな状態になっててまで、俺の事を気遣ってくれている。だからこそ俺は高瀬が好きなんだ。


……だけど、



違うだろ?





「……高瀬、」

「…?」

「何で、……なんで、止まらなきゃいけないの?」

「………っ、」


高瀬の手の甲に唇を寄せて、吸い付く。
…そうすればほんのりと赤くなって、キスマークが付いた。

高瀬が喉を鳴らした。




「俺…恥ずかしいけど、


…高瀬になら、抱かれる覚悟は出来てるよ?」



男同士でのセックスの仕方を知ったときは、本当に驚いた。…それに怖かった。

…だけど高瀬と付き合って日が経つ度に、段々と恐怖はなくなってきていた。
高瀬には秘密だけど、むしろキスだけでは物足りないと感じてしまうときもあった。



「俺だって男だ。…高瀬のこと心も、…そして身体も全部、俺の物にしたいと思ってる。」


受身の恋なんてつまらない。
俺だって男なんだ。
高瀬のこと全部欲しいと思っている。
それに嘘や迷いはない。



「高瀬は、…どう思ってる?」

「……仁湖、」

「…俺のこと欲しいと思ってくれてる?」



熱っぽい高瀬の目が、ギラギラした目に変わった。
…これは高瀬の“スイッチ”が入った証拠だ。
そう感じた瞬間、繋いでいた手を引っ張られ、ベッドの上に押し倒された。



「……欲しい。」

「…高瀬、」

「当たり前だ。…欲しいに決まってる。」

「……ン、」


まるで肉食獣のように、高瀬は俺の首元に噛み付き、そして舐める。



「心も、身体も、…全部欲しい。

誰にも渡さない。

…仁湖は、俺の物だ。」



荒々しい口調でそう言われた次の瞬間、唇に何かが触れた。

……言わなくても聞かなくても分かるだろう。


高瀬の唇だ。



まるで余裕のないような、高瀬のキス。
こんなキスは初めてかもしれない。



「ン、…っ、ァ…」

「…仁湖、…」

「た、…か、…せ、ぁ、…ん」


俺の上に跨っている高瀬は、噛み付くような乱暴なキスをしながら、俺の服の中に手を差し込んできた。




…高瀬の手は、先程よりも熱く感じた。





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