貴方だから感じるの








「…で、でも俺どうすればいい?」


何回も言うけれど、俺は“素股”という言葉は知っているのだが、肝心のやり方を知らない。ネットでちゃんと事前に調べてくるんだった…。

そして「やり方が分からない。」と高瀬に言うと、何故だか嬉しそうに笑って、「俺に全て任せろ。」と男らしいことを言ってくれる。
本当に高瀬は何でも知っていて、頼もしい男だ。


…だけど、俺だって男だ。
好きな人には、もっと自分の手で気持ちよくなって貰いたい。



「…俺に出来ることがあれば、何でも言ってくれよ?」


「……あぁ。」


そう言って高瀬は、俺の唇に触れるだけのキスを落としてくれた。きっとこれからする素股という行為に、俺が緊張しないためにキスをしてくれたのだと思う。
そんな所まで優しく気を使ってくれる優しい高瀬に、俺は更に高瀬が大好きになる。


「仁湖、…後ろ向いて。」


「………え?こう…?」


そして俺は高瀬の指示通り後ろを向いた。
ベッドの上で正座をして、高瀬に背を向けるような格好だ。…この状態だと、目と目が合わない分、恥ずかしさがないから楽かもしれない。



「…ベッドに手を付けて、腰を上げろ。」


「え?…いや、…ちょっ…」


前言撤回…。
目と目を合わす方が絶対恥ずかしくない。
…だって、何だよこの格好…。

高瀬に言われる通りの格好は、所謂四つん這いの格好…。
そうなれば高瀬には普段誰にも見せることがない場所を、見せていることとなる。



「…は、恥ずかしい…って…」



俺は高瀬と違って全裸なのだ。
こうして腰を上げて、肩幅まで脚を開けば、全てを高瀬に見られてしまう。



「…仁湖、すげぇ…やらしい。」


「だって、…ゃ、…これは…」


「ここも、…可愛いピンク色…。」


「ンッ…?!」



ゴクンと、高瀬が唾を飲み込んだ音が聞こえてきたのと同時に、何と高瀬は俺のお尻の穴を指の腹で撫でてきた。


「ひゃ…ぅ…?!ば、か…、そんなところ、汚いって…!」


「…汚くねぇよ。こんなに綺麗な色をして、俺を誘っている。」



“誘っている”?
馬鹿言うなよ。何でこんな所を触るんだ…っ。



「た、かせ…、そこ、…だめ…っ」


駄目だと言っても、何故だか高瀬は指の動きを止めてくれない。それどころか俺が抵抗すればするほど、乱暴に指を動かしてくる始末だ。



「…す、素股、…するんだろ?…こんなことより、早くしてよ…。」


「…………っ」


高瀬が息を呑んだのを気配で感じると、俺の尻の穴を弄っていた高瀬の指がピタリと止まった。


…どうやら言うことを聞いてくれるようだ。






「…あんまり俺を、煽るんじゃねぇ…。」


「た、…かせ…?」


そして背後から聞こえてきた高瀬のいつもより低くて熱っぽい声。…まるで獣が呻る様な低い声に、俺の身体はおもわずビクンと震えてしまう。



「……そんなにめちゃくちゃにされてぇか?」


「……ゃ…?!」


いつもの高瀬とは別人のような低くて熱っぽい声と、乱暴な口調に、反射的に逃げ出そうとすれば、腰を引き寄せられ、身動きを取れなくされてしまった。




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