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夜と燐音


※主=ESかどっかの現場のバイト
※燐音のソロ時代に知り合った仲という設定
※その子の家によく転がり込んでる燐音
※付き合ってるかは不確定
※いろいろ目をつぶってほしい



ふと目が覚めた。視界が覆うのは宵闇のヴェールで、ぱちくりと瞼を動かせば次第にうっすらと視力が戻ってくる。ニキの家とは違う天井に、今の自分の居場所を、思考を巡らせて探し出す。そうこうしないうちに、自分がニキとはまた別にすみかとしている人間の家だということに行き着いた。
下に視線を向ければ、無防備にも自分の胸の上で眠る女の姿。自分の勝手な降るまいに怒っていたのは最初だけ。お人好しで危機感のないこの女に自分はどうにも敵わなかった。

今なおその状況なのは言うまでもない。こちらは下着にシャツ、あちらは下着とキャミソールのみ身に付けている。薄く隔てる布がたかが二枚、目が覚め意識が浮上したばかりの自分には到底刺激が強すぎる。おまけに自分の胸にすがり付くかのように寝ている様は、どうぞお好きにと言わんばかり。
はあ、とため息をこぼした。
明らかにこの柔らかい感触の正体は何であるのか、起きかけの頭でもすぐにわかる。自覚をすればするほど柔らかいものに意識がゆき、別の場所が反応する。あまりに無防備なそれに噛みついてやろうかと思うほど。だがそれができないのが自分だと、悲しいかな、行動に移せない時点でお察しだった。

「ったくよぉ……」

そんなにおっぱい押しつけて、燐音くんが元気になっても知らねーぞ。
投げ出されていたタオルケットを探しあて広げ、自分にのしかかる女を包むようにして掛ける。むにゃ、と呑気な寝言が耳に届く。
大きな欠伸をして目をつむり、片腕で支えながらどうにか眠りを刺激しないようにと、自分も再び夜の闇に意識を溶かした。



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