1人で拗ねながら歩いているとよく行く河原に辿り着いた。

「ここにもいないのか」

見回しても人っこ1人いない。
まあ平日の昼前だしな。

「………」

あまりにも見つからないからなんだか焦ってきた。
男鹿が本当にどこか遠くに行ってしまったんじゃないか、って。
そんなわけないのにな。

「ああもう!」

何弱気になってんだ俺。
見つけたら「心配したんだぞ馬鹿男鹿」って言って殴ってやる。
今ならちょっとだけ泣いちゃいそうだけど。








小腹が空いたので男鹿探すついでにコンビニに行くことにした。

男鹿とよく行くコンビニ。
でも男鹿はいなくて、俺は少し落胆しながら肉まん買って外に出た。

ふとコンビニのガラスに映る自分を見たらひどい顔をしていて驚いた。
泣きそうな顔。なんていうか、迷子になった子供みたいな。
ちょっと男鹿が居ないだけでこのざまとか…カッコ悪いな俺。

「俺どんだけ男鹿のこと好きなの…」

ほんと、アホじゃねーのって思う。

ガラスから目を逸らして歩き出す。

早く男鹿を見つけだそう。
俺は男鹿がいないと困るから。







気付けば夕方になっていた。

影が伸びる。俺のだけ。
結局男鹿は見つからない。

「…男鹿がいない1日なんて珍しいな」

男鹿はどこに行ったんだろう。
男鹿の行きそうなところは全部まわって、すれ違いの可能性も考えて何度も同じ道を歩いた。
なんで見つからないんだろう。
もしかして本当にどこか遠くに行っちまったのか?
そんなわけないよな、男鹿はどこかで喧嘩でもしてるんだ。どうせそうだ。


そういえば俺、今日は不良に絡まれなかったな。
いつもなら男鹿を呼び出せとか男鹿の代わりに殴らせろとか言ってくるやつらがいるのに。
今日はいないな。

「…あ、れ?」

なんで?その理由を俺は知っている気がした。



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