22.年頃の恋愛はコロコロ変わる
「なるちゃん、明日非番だろ?遊園地行かないかい?」

「え?近藤さんとですか?嫌です」

「ぇぇえええ!?なんでぇええ!?トシや総悟もいるからいこ??ね!?」


居間でテレビを見ていたら用事から帰ってきた近藤さんに遊園地に誘われた。正直、近藤さんと2人で遊園地は勘弁だが、土方さんや沖田さんがいるならまだマシかなって思って、勢いに任せて頷いてしまった。





次の日、私は近藤さんたちと一緒に大江戸遊園地に来ている。
ちなみに近藤さんたちは任務らしい。え?遊園地に?って思ったけど、詳しく聞くと、真選組直属の上司、警察庁長官、松平片栗虎さんの依頼らしい。それも松平片栗虎さんの娘さん、栗子さんのデートを邪魔するとのこと。


正直、それを聞いた時はえ?親バカ?え?自分が娘なら絶対嫌だし、ウザイやつだって思った。


その任務内容は今日の今日まで3人とも知らなかったらしくて、土方さんが激しくツッコミを入れている。


私は1人でもいいから普通に遊園地を楽しみたい。


近藤さんは近藤さんで昔から恩があるからとか言って、殺し屋ゴリラ13とか言っているし、沖田さんに至ってはただ面白そうって理由で殺し屋ソウゴ13になっていた。



「あの土方さん、バカしかいないんですか?」

「あぁバカしかいねぇ···」



私と土方さんは2人してため息を吐いて、3人の後を追った。


最初の乗り物はメリーゴーランド。


「野郎···やりやがるなコレを選ぶたァ馬が上下に動くもんだから狙いが定まらねェ。なんか気持ち悪くなってきた」


とか距離が縮まらないだとか、言っててなんてバカなんだろうって土方さんの隣に座りながら思った。



面白そうだから私はここではカメラとミュージックプレイヤーの機能しか果たせないスマホで写真を撮る。


「土方さん、仲間に入りたいんですか?」

「オメェまで何言ってやがる」




次はコーヒーカップ。


グルグル回るのを私は売店で買ったソフトクリームを食べながら眺めているけど、沖田さんが18歳とは思えないセリフを言っていて、本当に私より1個上なのだろうかって思う。馬鹿だけど。



「美味そうなモン食ってんな···」

「げ···」

「げっとはなんでィ···俺にも一口くれィ」

「待って!あー!沖田さん一口デカすぎます!」



まだ残っていたソフトクリームは、沖田さんに奪われコーンから出ている上の部分ほとんど食べてしまった。え?本当に一口でかい。



「最悪···」

「···間接キスでさァ」

「ブッ!!」

「え!?総悟となるちゃん!?何!?羨ましいことやってんのぉぉぉ!?」



気づかないフリしてたのになんで言うかな?このドS!



「顔真っ赤でさァ···」



私の顔を見てニヤニヤしている沖田さんの背中を叩いてやった。わざとらしく、イテッって言っていたけど無視だ。



次はジェットコースターらしく、沖田さんは栗子さんの彼氏の後ろに立ち、ずっと脅しているような感じがする。



「行くぞ潮崎」

「え?私もですか?」

「当たり前だろうが」



私も半ば強制的にジェットコースターに乗せられた。空いているのは、沖田さんか近藤さんの隣。どっちも嫌すぎて他のところに座った。



ちなみに私はジェットコースターは嫌いだ。でも仕方ない。



スタッフの人の合図でスタートからトップスピードに乗るジェットコースター。風圧やば···、死にそう···と思いながらも正面を向いたら沖田さんが飛ばされてきた。



え?ぇぇえええ!?馬鹿なのか!?


でも沖田さんが珍しくテンパってる!これはいつものお返しに弱味握れる!と思い、私はテンパってる沖田さんを動画に収めた。やば、今度神楽に見せよ。



スタート地点に到着した時、栗子さんの彼氏さんがその···大きい方を漏らしたらしく、正直引いた。なんなら栗子さんも漏らしたとか言っていて更にドン引きだ。



「近藤さん!」

「···トシ、なるちゃん誰にも言わないでございまする」


ぇぇえ?ま?


近藤さんも漏らしていたらしく、ここの世界の人達本当にどうなってんの?って心底思いました。




私たちはベンチに座ってデートを観察していた。もう諦めない?デートの邪魔なんてするもんじゃないんだよ。


「とっつぁん!アレ見ろィ」


沖田さんが何か見つけたらしく、松平のおじさんに声をかける。


「やべー観覧車に向かってますぜ、間違いねぇ、チューするつもりだ」

「何!?そうなのか!?」

「観覧車っつったらチューでしょ。チューするために作られたんですよ、あらァ。ってことでなる···観覧車乗りやしょー、チューしやすぜ」

「は?」

「え!!やっぱお前ら···えぇ!?」

「早くしなせぇ」

「いや、行かねぇーし。ってか付き合ってないし、え?無理です。ってか早く追いかけないと栗子さんたち行っちゃいますよ!」

「チッ···!」



舌打ちすんなよ···。私ならまだしも、他の子ならイチコロなんだろうな。無駄に沖田さん顔いいし。


松平のおじさん、近藤さん、沖田さんはダッシュしてどこかに向かっていた。


「土方さんは行かないんですか?」

「俺ァ···あの馬鹿共止めてくるわ···お前はここにいろ。あと···」

「え···」

「総悟のこと頼むな···」

「はい?さっき言ったじゃないですか、付き合ってないって!」



人の話聞かないな、この人たち。


はぁ···待たずに帰ろ。


私は、結果を見ずに屯所に1人で帰ったのである。







年頃の恋愛はコロコロ変わる
(結局どうなったんですか?)(別れやした)






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