「待ちなせィ、町人B」
「へ?」
今、沖田さん私のこと町人Bって言った?いや、確実に町人Bって言ったよね!!
「町人Bって私のことですか?」
「お前以外に誰がいるんでィ」
「ですよねー」
うん、わかってた、わかってたけども、なんで町人B?
「町人Aにはなれない平凡な女でさァ」
町人Aよりも平凡ってか?
いや、平凡だけどさ!
可愛くないし、ボンキュッボン!でもないし!!
「わかってるじゃねぇかィ」
「さっきから私口に出してますかね?」
「顔に出過ぎ」
「際ですか···」
顔に出過ぎか、気を付けよう···。
というか沖田さん、私になんのようだろう。
「なる···」
「へい」
「···へいって少しは女らしく返事できないのかィ?まぁいいや。お前の部屋、俺の隣な···」
「へい!って沖田さんの隣?」
「不満か?」
不満というか、さっきの目の迫力というかなんというか沖田さんの赤い瞳が苦手だ。
ただそれだけ···。
「不満じゃないです···」
「ふぅーん」
上の方で少し聞こえる何やら考えてそうな声…。
何を考えているかは聞かないことにしよう。
「なる、俺ァお前が近藤さんを裏切るようなマネ少しでも見せたら容赦なく切り捨てるぜィ。どんな理由があれ···」
「かまいませんよ。あの人を裏切るなんて嫌ですから」
やっぱり私があのとき感じた殺気は合ってた。にしても裏切り行為ってどんなことかな···。
まぁいいか。
「ふ···。これから仲良くしましょうや町人B」
「ちゃんとなるで呼び方統一してくださいねー!」
最初の契り
(あの目···面白いでさァ)