1.全ての始まり

「今週の鬼滅がヤバい!」
「鬼滅ってなんだっけ?」
「夏葉も読んで!見て!今大流行の漫画!」
「あー、社会現象になってるのだっけ?」




こんにちは、私鈴城夏葉です。


今日は私の誕生日なのに、私の友人は会った瞬間から今流行している鬼滅の刃の話をしている。気になってはいるけど、人気すぎて中々手を出せないでいる。



「というわけで、はい...」
「は?」
「お誕生日おめでとう。これ、プレゼントと沼への第1歩である鬼滅の刃の漫画の1巻」
「...ん?あ、ありがとう?」




学校に着いた時に友人から渡された誕生日プレゼント。普通のプレゼントもあるけど、まさか漫画まで渡すか?普通。



どんだけ私をハマらせたいんだろう...





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その日、私は一緒に登校してきた友人以外にも誕生日を祝って貰ってご満悦たった。
家に帰ればお母さんが私の好きなご飯を用意してくれているし、大好きな妹は、私が前食べたいって言っていたケーキを買ってきてくれる。お父さんもなにやら誕生日プレゼントを買ってきてくれると言っていた。



なんだかんだ、いい誕生日じゃないか。



なんて思っていた私を殴りたい。




友人とちょっと遊びに出かけての帰り道。少し家まで遠回りになるけど、気分がいいし、大丈夫とか思っていた。






「.....はっ....」
「逃げても無駄だァァあ!!!!」






”不審者に注意 女性ばかりを狙う悪質殺人”



そういえばここ、今日NEWSでやってた隣町じゃん。なんで気づかなかったの、私のバカ!




「...っ!」



助けて...誰か...助けて...




「う...っ.....ぁ....」




体の中心が熱い...痛い...嫌痛いもんじゃない...
痛すぎて声にならない....



目の前がチカチカしてるし、足も上手く動かせない...




「しぶてぇなまだ息してやがる...」




怖い...



もう私助からないのかな....


人通り少ないし、街灯もない...



顔も名前も素性も知らない、鬼の様な形相をした男に私は殺されるのだ。




最高だと思っていた16歳の誕生日は、最悪な日として私は重たくなる瞼を静かに閉じた。









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