明日から冬休みだが、私たち呪術師には休みなんてない。


私は相変わらず五条とセットなのは変わらずで、たまに傑と2人で任務を入れられたり、3学年上の歌姫先輩と任務に行くことと増えた。


傑と行く時、五条は決まって傑に「沙菜に怪我させんなよ」と釘をさしていて、硝子には「過保護かよ」と笑われていた。最近では自動的に発動する結界術は発動することはなく、自分のコントロールで結界を張ることが出来るようになった。まぁ、これも全て五条との任務で、荒治療で出来るようになったから五条には感謝である。いつ、縛りが解けて直接攻撃を受けるかもしれないということでひっそりと訓練をしていた。五条にはバレてて、たまに手伝ってくれた。相変わらず容赦なくて体術に至ってはさらに厳しくなった気がする。


あと歌姫先輩と行く時は、毎回「俺が行く!」とか「歌姫は弱いし、沙菜も弱い。どっちも死ぬだろ」とか言うし、なんなんだ、コイツと毎回思ってしまう。歌姫先輩は五条のこと嫌いだから、任務に行く時に、「大変ね」と頭を撫でてくれるから私はお姉さんみたいで懐いている。


その事を五条に言うと、「頭撫でられてんじゃねぇ」といい、髪の毛をわしゃわしゃしてくるから「私は犬じゃないんですけど」と文句を言えば、「気づけよバカ」と言われ、ますます分かりたくないと思ってしまった。


12月27日
寮の談話室でココアを煎れていたら大荷物を持った傑、硝子を見つける。近くに五条もいたが、五条は手ぶらである。


「みんな帰るの?」
「一応ね」
「いつ帰ってくるの?」
「1週間後だよ」


休みないとか言ったやつ誰?


学生は実家に帰れば基本仕事は休みになるらしい。え?それって私単独任務とかないよね?大丈夫??


「硝子も?」
「おー」


硝子も居ないとなると怪我したとき誰が治すの?


「五条も帰るの?」
「お前が帰らないでって言えば残ってやってもいいぜ」
「あ、お帰りください」


上からすぎてムカつくので五条家に帰れ。


「でも悟。帰らないといけないんじゃないのかい?」
「くそだりぃ」
「なんかあんの?」


硝子が五条に質問する。


「見合いだよ、見合い」
「え?五条見合いするの?結婚できるの18歳からだよ?」
「知ってるよ。見合いっっても形だけで断るけどな」


呪術界の御三家。
五条家の次期当主の五条にはそれ相当の術式やお家柄の綺麗な清楚美人とか少し大人の女性が宛てがわられるんだろうな...


「その中に好みの女の人いても断るの?」
「ぁあ?あー、胸デカかったら考える」
「...サイテー」



五条、胸が大きい人好みなんだ。
私大きくないもんな...ん?なんで胸の大きさで私、自分の胸サイズ考えてしょんぼりしてんの?


考えるのやめよ、ほんと。


「じゃあ、私達は行くよ。新学期に会おう」
「ゆっくりしてきてねー」


私は荷物を持って寮を出ていく2人に手を振る。あれ?五条は?

「五条はいつ帰るの?」
「明日...」
「明日なら、私と一緒に映画観ない?」
「は?」


今日怖い映画があるのだ。
いくら呪霊を見てるからといって作り物のほうが怖かったりする。


「まぁいいけど」
「ありがとうー」


「映画が始まる時間に談話室に集合ね」と言えばば、五条は「俺の部屋に集合」といい、談話室を後にした。

まぁ、五条の部屋のテレビも談話室と負けじ大きいからいっかと思い私は、部屋に帰り冬休みの課題に取り掛かった。



ーーーーーーー


映画が始まる少し前、私はホットミルクを作り五条の部屋に行く。


久しぶりに五条の部屋に入ると炬燵が置いてあって羨ましかった。傑と炬燵いいよなという話になって買ったらしい。私の部屋にも欲しいけどお金節約したいから無理だな。


五条は座椅子に座りながら私を自分の方へ呼ぶ。


「え?ヤダよ?そこに座れっていうんでしょ?」
「なら一緒に見てやらねぇよ」
「うぅ...」


ズルい、五条絶対私が怖いの苦手で映画誘ったの分かってて自分の脚の間に座るように促してるんだ。というか五条の近くに行くと何されるかたまったもんじゃない。


「何もしねぇよ」


私の心を読んでるかの如く五条は言い、私を無理矢理自分の脚の間に座らせ後ろからお腹に手を回す。


そんな攻防戦を繰り返していたら映画は始まっていて私は五条が近いことにドキドキしていたが、今は画面の向こうで繰り広げられる怨霊と人間のせめぎ合いにドキドキしている。


たまに驚いて漏れる声が恥ずかしくて口元を隠しながら画面に釘付けである。


最後の最後で盛り上がるシーンに入ろうとCMに入った時、首元にかかる息に呼吸が止まる。


「...っ?」


五条がなにかしてるのは分かってる。でもなに?何もしないっていった。


「...っんん」


首元にチリッとする痛みに思わず声が出る。というか生暖かいんだけど、首元。


「なぁ」
「なに?」


五条は何もしてないぜという口振りで私に話を振る。


「俺がいない間無理すんじゃねぇぞ」
「多分しないし、私弱いから単独任務なんてないよ」


2級以上からは単独任務可能だということを思い出し、昼前の不安を払拭したばかりである。


「五条?」
「沙菜、なんかあったら直ぐに俺に連絡しろよ」
「でもお見合いとか...」
「大事じゃねぇ。お前の方が大事に決まってんだろ」



.....ん?
私の方が大事?
そんな言葉好きな人にしか言っちゃいけないセリフなのでは?正直、クソ弱い同級生の心配してくれるのは嬉しいけど...


「とりあえず俺が戻ってくるまで怪我してたらお前一生俺との任務な」
「それは無理なのでは?」


ふとテレビ画面を見ると映画は終わっていてエンドロールだった。


「え、終わってる...」
「どうせ、最後までみたら1人じゃ寝れねぇだろ。ま、寝れなかったら一緒に寝てやってもいいけど」
「ね、寝れる!」


一緒に寝るって...


「ナニ想像してんの?」
「煩いエロ五条!...でもありがとう」
「どーいたしまして」


次の日五条は土産買ってきてやるよといい、寮を出ていった。


今日からこの寮には私1人。
そして、五条と勝手に結ばれた約束を破るのは2日後のことだった。


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