五条との合同任務以降、やたらと五条と任務に行くことが多くなった。
私の階級は4級で、だいたい五条と行く任務は最低でも2級、悪くて特級に近い1級。


任務ではだいたいが以前五条が私に言った縛りを確かめるようなことばかりを行うことがほとんど。いや、それで結界が発動しなかったらこいつはどうするつもりなのか。


弱いやつだから間違って死んでもいいと思ってるのか?この間認めてやるよっていったじゃんか。


その事を傑や硝子に相談してみると、五条がその自分の六眼でみた仮説を確かめてるだけだと言う。あと五条が圧力かけて無理矢理、五条の任務に私を宛がっているらしい。


いや、死ぬ。
違う意味で死ぬ。


五条は多いときで学生の身ながら任務を1日5件行うことはザラだ。五条は最後の4件、5件目にはこの業界人手不足すぎ、まじで死ねとか補助監督さんの車の後部座席でボヤいていることが多々ある。疲れているだろうが、その任務に同行している私なんて1件目で死にそうなのにそれをあと4件こなさないといけないという責任感もあり、気疲れしている部分もある。体力的にも体育3の評価の私には毎日限界である。基本五条が話しかけて来ない時は大体寝ている。そんなに話しかけて来ることはないんだけど。


任務に行かない時は座学もあり、基本寝てしまう。4人しかいない教室のため見つかっては夜蛾先生にゲンコツを食らう。勉強も苦手なのにこれ以上バカになったらテストがヤバい。



今日は珍しく五条は任務無しとのことで私も必然的に休みになった。


休みたいけど、出掛けたい。


「沙菜、お前これ興味ねぇ?」
「なにこれ」
「ケーキバイキング」


ケータイの画面を私に見せてくる五条。
ケーキバイキング、好きだけど、え?五条と2人で?


「興味あるけど、これカップル限定って書いてあるよ?」
「だからお前誘ってんだろ。傑じゃ無理だし、硝子は甘いのは嫌いだしな」
「消去法で最後に残ったのが私と...」
「まぁそうだな...、あ、あと、俺との任務弱音吐かずについてきてるご褒美ってやつ」


ご褒美?あのクズでクソな五条悟が?


「痛い!」
「口に全部出てんだよ。で、行くの?行かねぇの?」
「...いくっ!」


授業が終わり私と五条はケーキバイキングを楽しめる原宿へと足を運んだ。



こっちにきて原宿は初めて行くけど、私がいた世界の原宿と変わらない。駅は工事してないけど。



お目当てのお店に行くと結構な人が並んでいた。これ、入れるまで時間かかるんじゃ?


「おい、こっち」
「え?」


五条に呼ばれ五条の元へ行くと、突然手を繋がれた。それも指と指を絡める恋人繋ぎというもので、私は口をパクパクしながら、平然としている五条を見上げる。
五条はそんな私に気づいて、「驚きすぎ顔赤すぎ」といいながら手を握る力を強め笑った。


「予約してた五条です。んで、彼女」


五条は予約をしていたらしく、長蛇の列には並ばずすんなりと店内へ案内された。


席につくと五条は適当に取ってくるといい、ケーキを取りに行った。
にしても五条って慣れてるよね、女の子の扱い。まぁイケメンだもんね、モテてたよね。それに呪術界の御三家と呼ばれる名門中の名門で数百年に1度のなんたらとか言ってたもんね、きっと呪術界の名家のお嬢様とか玉の輿狙った女の人とか色々言い寄られてそう。んで適当に遊んでるというのが、ゲスな男のやり方だよね、少女漫画で読んだぞ、ま、五条がその漫画のキャラと同じとはわかんないけど。


「何百面相してんだよ、不細工が更に不細工になんぞ」
「仮にも今は彼女なのでそういうのやめてくださーい」


私はお皿いっぱいに盛り付けられたケーキをみて目を輝かせる。


「五条って甘い物好きなんだっけ?」
「普通。でも疲れた時は無性に食いたくなるから今日きた」
「へぇー。いつもは誰かと来てるの?」
「...」
「え?やっぱ女の子?」


黙ってるということは肯定でいいのかな?
やっぱ男の子だなーって私は呑気に考えながらチョコレートケーキを頬張る。
んんっ、美味しい!


「ケーキ...」
「え?」
「ケーキバイキングは今日初めてきた。いつもは普通の喫茶店で傑と食うか持ち帰って部屋で食ってる」
「それって...五条の初めて私が貰っちゃったの?」
「は?お前、初めて貰っちゃったとか言ってんじゃねぇよ」


うわ、五条が、あの五条が照れてる。
レアだ、レアすぎる。
写真撮っていいかな?


私がこっちに来た時、スマホは持っていたが、この時代にはまだスマホはない。ガラケーだ。
携帯を持っていないと言うと、高専で用意してくれたものを今は愛用している。


「おい、沙菜お前なに撮ってんだよ」
「え、傑と硝子に見せようと思って」
「消せ」
「やだ」


なんて笑いながら言い合ってたら店員さんに可愛いカップルさんですねと言われながら飲み物を持って来られ、私は顔が真っ赤になり逆にそれを五条がお腹を抱えて笑ったのであった。




prev next

Top
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -