12.体育祭スタート!
あれから松葉杖生活にもなれ、2学期へ。
松葉杖で登校してきた私を心配してくれる友人がたくさんいて、心が熱くなったが、侑だけ私を指さして笑うもんだから、1発松葉杖で殴ってやれば、「おまっ!ほんま女子やなかったら殴ってるで!」と言われたのでそれを治に密告したらその日の放課後、体育館で喧嘩して北さんに怒られたって、双子から連絡が来た時は、え、ごめんって思ったのははや2週間前。
今日は稲荷崎高校名物の体育祭です。
「穂花、応援しといてなー」
私はまだ松葉杖をついているため養護テントにて体育祭の様子をみていたら私に気づいた治手を振りながら去っていった。
へにゃってして笑ってて可愛かった。その後ろからやってきたのは侑で、侑は治の言葉をきいてもうダッシュでやってきて少し怖かった。
「おい、なんでサムのこと応援してんねん!お前、俺らと同じチームやぞ!」
うわーめんどくさい。
勝負事には彼氏彼女とか関係ないもんな。いや、絶対侑は別クラスに彼女出来たら、治みたいに、絶対応援してな!とかいうタイプでしょ。
「基本は応援してるよー」
そう、自分のクラスというか組は応援している。けど、治単体で私は応援しているのだ。そこだけは勘違いしないで欲しい。
去年も思ったが、宮兄弟、競技出すぎじゃない??
こんなん、絶対1位とるよね?
角名くんから治が出る競技まとめた紙を渡され、競技が始まるまで眺める。
これは私が治が好きなのか、なんで兵庫に親元を離れてきたのかという理由を細かく説明しない。確実に、100%!!
結局、治は出た競技でほぼ1位を取っており、ほんとスペック高いなーと関心していると、午前の競技で1番盛り上がる借り物競争の時間がやってきたのである。
治出るって言ってたもんなー
『稲高名物!借り物競争!!毎年、ここでカップルが誕生している競技です!今年はどんなカップルが生まれるのでしょうか!?』
なんて呑気に実況している放送委員。
そういえば友達が去年、好きな人のハチマキというお題を顔を真っ赤に染めながら借りに行ってた時は、友人ながらドキドキしたのを覚えている。
『この組で注目なのは、やはり、我ら稲高で有名な宮兄弟の1人宮治くんのお題でしょうか?』
『そうですねー。女子生徒から人気の宮治くんですからどんなお題でも盛り上がるでしょうね!』
そう今から治の組の番。
変なお題だったら侑と一緒に笑おうと呑気に考えていたらお題を引いたであろう、治が勢いよく私の元へ駆け寄ってくる。
え?
こわ、なんで私?
「穂花俺と一緒に来て!」
「いや、私走れないけど」
治は走れないという私の元へきて、しゃがみこみ、膝裏と脇腹に手を滑らせ持ち上げる。
「ちょ、治!?」
怪我した時と同じ、お姫様だっこで養護テントを出る。1人の女子生徒をお姫様だっこで駆ける姿なんて他の女子生徒からみたら悲鳴もんだろう。だって、運動場に女子生徒の悲鳴が聞こえる。男子生徒からは茶化すような声も。
「顔真っ赤やん...」
「うっさい」
治は走りながら私の顔を覗き込み、満足そうに笑いながら1位でゴールテープを切った。
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