カメラマンとモデル 2


「鈴ちゃーん!おっはよ!今日もよろしくー!」
「勘ちゃん。おはよ。重いし邪魔。」

パソコンの前に座っている私の首に巻き付くように後ろから抱きついてきた仕事のパートナーの勘ちゃん。彼は1ヶ月前ほど入ったモデル。初日を担当した私はありがたいことに毎回撮らせてもらってる。

「眼鏡してる鈴ちゃん最高に可愛い。」
「はいはい、チャラ衛門くん。」

人気は凄くてサイトに掲載したその日にアクセス数が上がり、ネットでも話題になり彼が着ていた洋服は即日完売。凄いことにお店にも追加注文が入るほど。今では男性の人気ブランドの専属モデルとしてうちの会社で働いてくれている。

「ほんとなのに〜。」
「ありがとうございますー。」

口を尖らせながら文句を言う彼にマウスを弄りながら返事をする。勘ちゃんは私の頭の上に顎を置き、画面に映る一つ前の担当していた写真を見ていた。

「あ、この間ペアで撮った子だ。担当したの?」
「うん。彼女、足の線が綺麗だからパンツ似合うよね。タイトなスカートもお尻が小さいから洋服も強調されるし。何よりいい子だから撮ってて楽しかった。」

画面を指差しながら言い、洋服の色味を調節する。写真にすると暗くなったりすると色が違ったりする。証明の強さだったりポージングで変わったりするけど、お客様からクレームがくるとまずいからね。

「え〜。俺は鈴ちゃんのお尻の方がむちっとしてて触りたくなるくらい好きだよ!」
「…セクハラですよー…。」

思わずため息を漏らすと勘ちゃんは軽く笑うと体を離して隣の机に置いてある服を見た。

「来季の流行りはネイビーなの?」

机の上には今日着てもらう洋服が並んでいる。ネイビーのパンツを手にとり私に訪ねてきた。眼鏡を外して椅子から立ち上がり並ぶように隣に立った。

「違う。メーカーさんからの指示だよ。尾浜くんは紺色が一番似合うって。」

ふーんと言いながら嬉しそうに笑い、パンツを手にとった。私服にいつも紺色を入れていた勘ちゃん。自分の一生のラッキーカラーは紺色なんだって前に言ってた。それほど好きなんだって。

「そう言われると嬉しいな〜。よしっ頑張りますか!鈴ちゃん、今日もかっこよく撮ってね!」

楽しそうに言うとぎゅっと拳を作り気合いを入れた。そんな勘ちゃんの表情はかわいくてかっこよくてこの人と出逢えて良かったなと思う。

「任せとけ!」









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