本当の家族
「パパぁ…わたし、とってもお腹空いたぁ…」
「奇遇だな…俺もだ…」
折角二人合流出来て東部まで来たのに、これじゃあ共倒れしちゃうじゃん。ぐ〜…わたしとパパのお腹で不協和音を奏でる。こんな音楽、誰も聞きたくないわ。
あ、もうだめ…町に入ったところで二人共地面に倒れ伏せた。…なにこれ。美味しい匂い…。ますますわたしの空腹感を刺激する。
「あのぉ…すみません…私にもください…」
「わたしにも、恵んでください…」
⇔
ロゼさん、っていう名前の女の人にシチューをご馳走になって、すっかりわたしは回復!とっても美味しかった。料理上手ってすごく高いステータスになると思うの。ロゼさんはママみたいないい奥さんになれるね!
リオールというこの町はつい最近、宗教関係で暴動が起こった場所だ。その時引き金になった宗教の名はレト教。わたし達がこの町にやって来たことにも関係しちゃう。
この町に来た理由はレト教の教会の地下を散策するため。パパの大事な大事な用事を済ませるために必要なこと。ランプを持ってパパは地下道を進んで行っちゃった。
「テオー、良い子で留守番してろよー」
「はーい」
良い子ちゃんの返事を返してわたしはロゼさんとお留守番。
あのねロゼさん、エルリック兄弟って知ってる?鋼の錬金術師とも言うんだけど。もちろん!私の恩人なの。へぇ…!あのね、わたし、あの二人のお姉ちゃんなの。
んふふ、ロゼさんの呆けた顔、可愛いんだね。エドとアル、一体どんなことやらかしたんだろ?気になるー。
「あ、パパ!おかえりー。どうだった?」
「ん〜?ちゃあんと、宣戦布告してきたよ」
いい歳してVサインをするパパも可愛い。ママがした方が絶対可愛いけどね。