世の中金が全て(1/2)


Money is everything in the world.
世の中所詮金が全て。こんな上手いことを言ったのは一体誰であろうか。かく言う私は金の亡者だ。他人から評価されるまでもなく、私自身自覚済みである。

金こそ全て。食べ物を得るにも、住居を得るにも、衣服を得るにも、金が無ければ何も出来ない。生きる上で最低限必要な衣食住を得るの金が必要なのだ。娯楽や贅沢、健康などはもっての外だ。
世は金で回っている。たとえ金が欲望の象徴とされても、結局のところ人間は金が無ければ何も出来ないちっぽけな存在なのだ。

金さえあれば安定した生活を送れる。大抵のものは金で買える。金はその持ち主の権力を表す。金は力だ。


だからこそ、私は金が大好きだ。


金には形という保証がある。保証のあるものは信頼出来る。だから私は金を信じる。愛する。形のない愛だの絆だのは私にとっては塵に等しい。価値の保証がない。無償の愛など私の世界には存在しない。

金を求めることが私の生きがい。金を貯めることが私の使命。

けれど悪銭身につかず。人から盗む、強請る、銀行強盗をするなどは私のポリシーに反する。コツコツと、通帳の0の数が増えていくのを見るのが好きなのだ。汗水流して得たお金にこそ価値があるのだ。


そんな私は仕事を求めて今日もハローワークへ。
稲葉アル。――現在無職だ。


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