大遣いより小遣い(1/4)


ボンゴレリング。ボンゴレファミリーの家宝。ボンゴレ後継者の証。7³の一つに数えられ、強大な力を持っているリングは7種類ある。

7種類のリングはそれぞれ天候になぞられいる。ボスが受け継ぐ「大空」、そしてボスを守護する「嵐」「雨」「雲」「晴」「雷」「霧」。リングには使命という個性があり、それは初代ファミリーの個性が刻まれている、と考えられている。
リボーン先生や門外顧問ならファミリーの役割から守護者を選抜することだろう。沢田くんの周囲を洗えば、守護者を探し当てることはきっと容易い。


「稲葉の留学期間は今日で終わりだ。残り僅かな時間だが、最後まで仲良くするんだぞ」
「お世話になりました。学校生活は今日で終わりですが、まだ並盛に滞在する予定ですので町で見かけた時はよろしくお願いします」


教室内全員に向けての挨拶を終わらせ、席に着くとわらわらとクラスメートが私を取り囲み、別れを惜しむ言葉をかけた。ここは最後まで自分には甘い場所だと思った。

学校では先日の並盛での爆破事件についての噂で持ち切りであった。目立たず学校を去れることは嬉しいが、こうも蔑ろにされては寂しいところがある。


そう言えば、あの爆破事件の際に見た青い死ぬ気の炎を灯した少年。彼のことについて少し調べた。門外顧問組織CEDEFに所属、名前をバジル。本名はバジリコン。沢田家光の従者の一人。通りであのスクアーロ様相手に僅かな時間でも太刀打ち出来たのか。それならば納得だ。


沢田くん達は今日学校を休んだ。いずれ来られるザンザス様達に少しでも対抗しようとでもしているのだろうか。そしてあの沢田家光がやって来たのだ。リボーン先生だけならともかく、もう簡単に監視をし続けることは難しいだろう。


さて。ザンザス様率いるヴァリアーの幹部の皆様が来日されるまで様々な手配で忙しいところがあるが、時間があることも確か。何をしたものか、と考え込む。そうだな。守護者の偵察でもしてみるとしようか。

沢田くんの嵐の守護者候補は獄寺くん。雨の守護者は山本くん。雲は風紀委員長、晴は笹川了平。今のところ予想が立つ守護者はこれぐらいだ。

リボーン先生と沢田家光のことだ。相応しい指導者を当てて、短期間で急激に成長を促すつもりなのだろう。あのヴァリアーに勝つなど、万が一のことだろうが、敵のことでも少し期待してみてもいいかもしれないと思った。


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