▼出雲の神より恵比寿の紙(4/5)
リボーン先生から電話で試練の状況を聞いたところ、今雨のコロネロと雲のスカルの試練を終えたらしい。今日はマーモン様の出番だとか。ご苦労様です。
マーモン様より連絡を受けて並盛神社へお迎えにあがる。そんなところで一体どんな試練をしていたのか。気になる。けれど問わないでおこう。私のお金が惜しい。
「お迎えに参りましたよーマーモン様ー」
神社の屋根に向けて声を張り上げる。棒読みだ、なんて言わないで欲しい。デフォルトだ。
ひょい、と屋根からこちらを覗いたマーモン様。それと沢田くんと目が合う。マーモン様と目が合ったかは推測だが。リボーン先生もラル・ミルチもいらっしゃる。こんにちは、とお辞儀をした。 「さあ、帰りましょう」腕を広げると、ふわふわと浮かんだマーモン様が腕の中に飛んで入って来た。
「アル!?…って、あ、そっか。アルはヴァリアーだったね」 「こんにちは、沢田くん。マーモン様の試練の合格、おめでとうございます」 「あ、ありがとう…」
素直に喜んでいいのか悪いのか、そう迷っているような苦笑いで返された。 にしても沢田くん、本当に私がヴァリアーだっていう認識が薄いようだ。なぜ。行動を共にした時間が意外に長いからだろうか。わからない。
「マーモン様もお疲れ様です」 「まったくだよ。ところでいいのかい?」 「何がですか?」 「沢田綱吉と仲良くするとボスの機嫌を損ねることになるよ」
ああ、それは困りますね。ザンザス様は機嫌が悪くなると物に当たるから。後始末が大変だから是非とも避けたい。 それではここらで。続きの試練も頑張ってくださいね、と神社を後にすることにした。腕の中のマーモン様の体温が温い。
「今日の夕食は何に致しましょうか」 「ボスなら絶対肉、って言うだろうね」 「ですよね。あの偏食ぶり、どうにかして欲しいものなんですけれど……」
今日は庶民的に肉じゃがと味噌汁でどうだろうか。一応肉が入ってるし、何とか上手く言い包めよう。
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