聞いた百文よりも見た一文(3/3)


真6弔花との戦いに突っ込んで行ったヴァリアーの皆様は、最初は優勢かと思われた。思われた、ということは今はそうでないということ。今ここに立っているのは私ただ一人。


「あとは彼女を倒して、ユニ様をお迎えにあがればお終いですね」


絶対防御と地中に潜む匣兵器。真6弔花の実力が予想外であることは確か。三つの視線が私に集中する。

いつ攻撃されてもおかしくない。その中桔梗の匣兵器の頭上に変化があった。一つ、また一つと恐竜の頭がボンゴレファミリーの顔に変貌していき、真6弔花を襲う。「幻覚か」桔梗の言葉は正解。

殺気を感じ取った桔梗は私の前方付近に匣兵器を飛ばした。そこから発生した土煙の中から二人。骸くんとフラン様、ですね。それから他の皆様も無傷の状態で姿を現した。


「ど、どうなってんだ、バーロー…!」
「ま、まさか…」
「やつらを倒したのは…全部、幻覚!?」


その言葉の通り。「クフフ」と骸くんは笑った。思った通りに事が運んで満足しているのか。幻覚の目的は骸くんのウォーミングアップと力を引き出し、データを取ること。

にしても骸くん、脱獄したのか。それはそれはおめでとうございます、と拍手を送った。


さて、これからが本戦。ザンザス様の横顔を見れば、うずうずしているような笑顔だ。ご機嫌ならば何より。

皆さん誰よりも早く、と先陣を切って行った。本当に暴れるのがお好きなんですね。残っているのは私と骸くん。観戦ばかり、というのも疲れる。


「君は何もしなくていいんですか?」
「だってする必要がありませんから」


あ、ほら。ザンザス様の銃弾が桔梗の頬を掠った。とても楽しそうで。皆様が楽しんでるこの状況、手助けという名の奉仕活動をしてみろ。全てが終わった後に私が殺されかねない。

いつからか真6弔花は骸くんの幻覚に惑わされていたのだ。彼らは見事掌の上で踊らされていたということだ。


<<< >>>

back




×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -